1日ひとつだけ、強くなる。
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俺より強いヤツが多すぎた!
あらすじ・概要
プロ・ゲーマーで日本のe-Sportsを先導してきた梅原大吾氏の勝負諭。
- 視点を高くする
勝負は「ポイント」を抑えたものが勝つ。場面ごとの最適解ではなく、対戦全体を見て「ポイント」を見付ける。抑えるべきところを間違えなければ場面ごとで播けても構わない。
上手くいかないから修正していては間に合わない。トッププレイヤーは、上手くいっている時にこそ視点を高く持ち、より良く修正している。
- 感情を支配する
「怒り」の感情が反応速度を上げることはあるが、広く見る視点が飛んでしまい集中力は落ちるので、プレイが荒くなる。「怒り」は勝負プラスにならない。
「相手を支配したい」気持ちが怒りを生む。自分のできることに集中する。苦手な相手にも自分から関り、自分がコントロールするゲームとして楽しむ。
どうにもならないことは受け入れる。
劣勢になったときには、焦ってツッコむより一度引いて体制を整える。
負けるときも、自分の戦い方を貫いての負けであれば次につながる。
- 成長とは変わること
「勝ち」だけを意識する取り組みでは成長できない。長期的には成長を重視する者が強い。
人のアドバイスは、とりあえず聞き入れ試してみることに価値がある。正しいかどうかはそれほど重要ではない。「正しいやり方」を積み重ねた先の個人差が「個性」になる。
- 飽きても続ける
一日1つだけ、成長をメモしていく。小さな成長でも良い。2つや3つと増やし、ハードルは上げてはいけない。
「どれだけハードルを上げないか」が長く成長を継続するために重要。
「負けないこと」より「成長につながる発見がない」ことの方が怖い。
- 「ここ一番」で勝つ
勝つためには「勝つ根拠」を見付ける。何かあるはずと思って探せば必ずどこかに可能性がある。
- 才能を超える
「成功するかどうか」に関わらずやりたいならやればいい。好きなら不向きでも構わない。むしろ不向きなことへの挑戦は気付きをもたらす。
感想・考察
前作の「勝ち続ける意志力」は抽象度の高い勝負諭だったが、本作ではかなり具体的な話になっている。
格闘ゲームに馴染みがない人には伝わりにくいかもしれないが、経験のある人にはすんなりと入ってくる部分があるだろう。
ゲージゼロから春麗の鳳翼扇をブロッキングしたプレイは今見ても素晴らしい。大舞台で、それもギリギリまで追い詰められた状況で、シビアな判定のブロッキングを成功させる意志力はすさまじいと思う。
「えっ!そこで!?」というタイミングで撃つ波動拳は、その場面だけを見る悪手だが、全体局面を考えると、相手に与えるプレッシャーや選択肢を絞らせない効果などで有益となることもあるのは理解できる。
私も昔は格闘ゲームが好きだったが、ある程度以上は上達しなかった。
考えるとゲームだけでなく、どんなことでも器用貧乏で、ある程度までの上達は早いが、すぐに成長が頭打ちになってしまう。
「負けることよりも、成長するポイントがない方が良くない」という梅原氏の捉え方は斬新だった。負けないために守りに徹するよりも、その場では負けても変化し続けることが成長につながるのだろう。ゲームの話で説明されるとより深く納得できる。目先の負けを受け入れられないのは「弱さ」だ。
久しぶりにストリートファイターⅣを起動した。