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モーリスのいた夏

モーリスのいた夏

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もう戻れない、少女時代の最後の夏

要約

17歳の女子高生の信乃が避暑地の別荘で10歳の「くそ生意気な超絶美少女」 芽理沙の家庭教師のバイトをする。芽理沙による採用面接は「人くい鬼 モーリス」が見えることが条件だった。

モーリスは動物の死後の残留思念を食べ死体を消してしまう。ただモーリス自体が摂食のために生き物を殺すことはなく、他の原因で死んだ魂を取り入れる。

採用試験に合格した信乃は近くの別荘に来ていた、会社社長夫婦と占い師、映画監督と俳優と女優、アニメ監督などと過ごしていた。

取材日程を間違えてやって来た女性雑誌記者が別荘地周辺で転落死しているところが発見される。ところが警察を呼んでいる最中に死体が忽然と消えてしまう。

女性記者の死は事故だったのか?死体が消えたのはモーリスによるものなのか。

感想・考察

「死体を消してしまう人くい鬼」とかファンタジー要素が強く、ミステリ要素はあっても推理して正解を追うタイプではない。

二人の少女の感じている生き辛さとその裏返しとしての強かな強さ、事件を乗り越えて成長する姿の繊細な描写が醍醐味だ。

映画 Stand by me みたいに「もう戻らない、少女時代最後の夏」の切なくてさわやかな雰囲気があった。

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