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あんまり役に立たない特殊能力 × 青春ラブストーリー。

要約

5人の高校生たちの友情と恋愛の物語。それぞれがかくす特殊能力はあんまり役に立ってない。。

読み進めるうちに各編のタイトルの意味も分かる。

  • か、く。し!ご?と

男子高校生の京が主人公。

片思いをしている女子の三木さんが、京の友人ヅカに「何か変わったことに気づかないか?」と執拗に聞いてくる。京は三木さんがシャンプーを変えたことに気づいたが指摘はせず、彼氏ができたのかと一人思い悩む。

以前、京はクラスのおとなしい女子宮里さんにシャンプーのことを指摘してから、関係がぎくしゃくしたことを思い出していた。宮里さんはその後しばらくしてから、不登校にもなっていた。

  • か/く\し=ご*と

女子高生の三木は、直情的で目立つのが好き。ヒーローに憧れている。

友人のパラが文化祭で企画した劇にヒーロー役を得た三木は気合をいれて取り組むが、本番では異様に緊張してしまう。

  • か1く2し3ご4と

女子高生のパラは、同級生のヅカに熱烈なアプローチをかける。

ヅカが好きなわけではないが、京が三木にみせる一途な想いを応援するため、邪魔者になりそうなヅカを排除するのが目的だった。「修学旅行で鈴を渡すとずっと一緒にいられる」という学校の伝説があり、ヅカの持っていた鈴が気になってしまい、やがて体力の限界を超えてテンションを上げていく。

  • か♠く♢し♣ご♡と

男子高生のヅカは、最近親しくなった宮里のことが気になり始める。

宮里が三木に作ってきたクッキーを食べ「何か隠し味があるのか」と聞くと、宮里は急に悲しみに沈んでしまう。友人の京も「宮里さんがよそよそしい気がする」と相談してくるが、彼女が悲しみに暮れている理由が分からない。

宮里、パラ、三木、京と一緒に花見に行くことになったが、三木が作ってきたクッキーを食べさせようとしたとき、宮里はその場から駆け出して逃げてしまった。

  • か↓く←し↑ご→と

女子高生の宮里は、パラが企画した「10年後の自分への手紙」 を書くのに苦心していた。

京から「三木さんから一緒の大学を受験して欲しい、と言われたがどう考えればいいのか」と相談を受け、バカさ加減にあきれる。パラからの再提案で、10年後の友人に宛てた手紙を書くことになり、三木や京に想いを伝える。

感想・考察

こんな学生時代だったら良かったな、と思うような暖かく優しい話だ。

自分の内面と外面に差があることを恥じるパラと「そんなの当たり前だ」と軽く流すヅカ。あまりにも外向きな三木とあまりにも内向きな京。それぞれ違う個性を持ちながら、みんな優しくお互いを大事にしている。最後の手紙では泣かされそうになるくらい、美しい友情の物語だ。

能力バトルだったり、叙述トリックが入ってたり、色々盛りだくさんだけど、青春の物語としてきれいにまとまったいる。

若い人にも、若さを忘れてしまいそうな人たちにも、お勧めしたい一冊。 

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