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大麻ビジネス最前線: Green Rush in 21st century

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のトレンドに乗り、Green Rushを謳歌しよう!」というお話。

要約

大麻解禁の動向

米国ではコロラドやカリフォルニアで医療用大麻が解禁され、限定的に嗜好用大麻も許可され始めている。ただアメリア連邦政府としては認めていないため州法と連邦法との捻じれが生じ、運用面で混乱している部分もある。また隣国のカナダでも嗜好用大麻が合法化されている。

反対勢力はありつつ、その経済効果の大きさもあり世界的な趨勢として大麻の解禁に向かっている。WTOが1961年に採択した「麻薬に関する単一条約」の見直しも進んでいる。

大麻ビジネスの動き

ピーター・ティールなどシリコンバレー出身の実業家も大麻産業の世界的拡大を見据え、大麻ビジネスへの大規模な投資を始めている。

また、中国では嗜好用としての制限は極めて厳しいが、衣服などの産業用としては世界最大規模であり国家規模で生産拡大を後押ししている。

大麻禁止の歴史

中国やインドなどでは古くから大麻の向精神作用が宗教に利用されたり、鎮痛鎮静剤として利用されてきた。

ヨーロッパでは19世紀になって大麻の薬理作用が知られ利用されてきたが、天然成分を抽出するものであるため品質が安定せず、科学的に合成できるモルヒネに移行していった。

またアメリカでは1933年まで続いた禁酒法の廃止後代わりに大麻への規制が始まった。禁酒法時代の取締官の雇用問題や化学繊維などへの移行を促したい石油化学業界の意向が背景にあったと言われている。

大麻草の成分・効能

・THC(テトラヒドラカンナビノール)

向精神作用があり陶酔状態を引き起こす。多幸感、痛みの緩和、吐き気を抑える、痙攣抑制、食欲増進などの効果がある。

・CBC(カンナビジオール)

向精神作用はない。不安の緩和、痛みの緩和、てんかんなどの発作の抑制、神経障害の抑制、免疫バランスの調整などの作用を持つ。

医療用大麻

大麻の持つカンナビノイドなどの有効成分を利用するもの。

産業用大麻

一般にTHC濃度が0.3%未満の品種で、衣類や紙などに使われる。

世界の大麻事情

・アメリカでは住民の意向により合法化が進んでいる。

・中南米は生産拠点としての位置づけ。

・欧州では「ハームリダクション(実害の抑制)」という考え方で、ソフトドラッグは非犯罪化される方向。

日本の大麻市場の動向

日本は許可を受けた大麻栽培者が激減しており輸入も完全に禁止しているため、医療用での研究すら行われていない状況。WTOでの大麻の扱いの変更、アメリカ連邦法での見直しが日本での大麻解禁を促進する可能性はある。

感想・考察

アルコールなどと比べればハードなドラッグではなく鎮痛効果など医薬品としても利用できる。

ただ、何にでも効く万能薬ではないし、向精神作用がどのような影響をもたらすのか科学的な臨床研究が尽くされているとは言えない。

アムステルダムでは Coffee Shop が数多くありそこらで大麻を吸う人を見るが治安が悪い印象はない。ソフトドラッグである大麻は「違法だが検挙しない」というグレーな対応で事実上黙認しながら管理しハードなドラッグは厳しく制限するというのが上手くいっているようだ。

厳罰化して地下に潜るより、見えるようにして管理する方が比較的マシということだろう。

世界でのドラッグ規制は歴史的背景に基づくものも多く、実際のリスクと規制の程度が合っていないケースが数多くあるのだと思われる。情報が広がった現代ではより合理的な判断がされるべきだ。

本書では著者の高城氏が大麻解禁促進派ということもあって、大麻推しの見解が多く、あまり公平だとは思えない。

成長期の大麻摂取がどのような影響をもたらすかとか、自動車運転などへの影響はどの程度あるのかなどリスク評価も必要だろう。

それでもこういう情報発信者がいてくれることで、個人レベルで現状を認識し考えることができる。

巨大資本による大麻ビジネスに巻き込まれてしまう前に主体的に考えておくことが大事なのだと感じる。

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