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スノーフレーク

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ぼくは君に嘘をついている。本当のことを言っていない。でも信じて欲しい。心から大事に思っていると。

あらすじ(ネタバレあり!)

函館の高校に通う桜井真乃。

いなくなってしまった幼馴染の遠藤速人がずっと気になっていたが、卒業を目前に控えた時期に、速人のことを忘れようとネットに書き込む。

もう一人の幼馴染である田村亨とデートをし、熱烈なアプローチを受けるが、デートの途中で速人に似た人影を見る。

速人は6年前に、事業が上手くいかず追いつめれらた父親による一家心中により死んだものと思われていた。だが、海中に飛び込んだ車からは速人の遺体だけは見つかっておらず、未だに速人の死を受け入れられない真乃は速人に似た人を見て、強く動揺した。

翌日、速人の家族の墓を訪れた真乃は、速人と似た男に声を掛けられる。彼は速人の従兄 勇麻と名乗った。最近、勇麻あてに「かつて速人に貸した漫画や、借りる約束をしていたゲーム」が届くなど不審な現象が起きているので、何が起きているのか調べに来たという。真乃と勇麻は、かつて速人たち家族が住んでいた家や、車が飛び込んだ崖を調べて回る。

真乃と勇麻の姿を見た近所の女性が真乃に警告した。勇麻の父は速人たち家族の心中で多額の保険金を手にし、事業を成功させたという。

また、車から発見された遺体の中で、速人の祖母だけは、海中に飛び込む前日に死んでいたことが記録されていた。祖母にも保険金が掛けられていたため、その請求が行われていれば事業は継続可能で、心中する必要はなかったはずだという。

その数日後、真乃の下に小学校時代に速人と交換日記をしていた時のノートが届く。真乃は当時ノートを隠していた廃工場に向かう。そこで危険な目にあった真乃は勇麻に助けられる。勇麻は真乃に「僕は君に嘘をついている。本当のことを言っていない。でも信じて欲しい。心から大事に思っていると」と伝えられる。

後日、友人たちと改めて廃工場に向かった真乃は、そこに隠れ住んでいた人から、速人一家の心中があった日の出来事を聞く。

感想・考察

卒業を控えた高校生の甘酸っぱい感じ。真乃と亨、それぞれが胸に秘めた思い。青春の切なさを描くストーリーに、二重三重の伏線を張った緻密なミステリが重なる。一気に読み進めてしまった。

大崎梢さんというと、書籍や本屋に関する作品を読んで「本に対する愛に溢れている人だな」と思っていたが、もっと幅広いテーマに取り組んでいるようだ。

最近、好きになってきた作者さんの一人。

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