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あえて、レールから外れる。逆転の仕事論

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新しい「人生モデル」を探すため、

あえてレールから外れてみた 8人の生き方に迫る。

要約

  • 武田双雲

書道家として世界で活躍する。

幼いころから、まんべんなく気を配ることはできず怪我が絶えなかったが、集中力はすさまじかった。

「その瞬間を生き切ること」に集中している。将来のための「目標」を持つことはない。「未来にはいいことがある」と考えるのはいいが、「未来のためにいまがある」と考えるのはもったいない。大事なのは「いま」だと言い切る。

自分の感情をマネジメントすることが成功を呼ぶ鍵。上機嫌でいればいいことが起きる。

  • 佐渡島庸平

講談社から独立し、マンガ・小説のクリエイターとファンを繋ぐため「株式会社コルク」を立ち上げる。

幼少期は南アフリカに住んでいて、良いコンテンツであれば世界で通用するという信念を得る。

現在の日本の出版社は、インターネットの使い方が圧倒的に下手。クリエイターとファンを繋ぐこともできていない。優れたコンテンツが生み出した利益をクリエイターに還元する仕組みも整っていない。インターネットの力でできることがあると考え起業した。

講談社から独立するのに不安はなかった。「リスクを減らすより、取ってもいいリスクを選ぶ」という考え方で、一番取りたくないリスクは「やりたいことじゃないけど、言われたからやっていた」という状況に身を置き続けることだった。

一つ一つの行動で漫然と流されず、必ず「意識的に決断」する。その積み重ねで見えるようになったことがある。

  • 増田セバスチャン

kawaii 文化の第一人者。きゃりーぱみゅぱみゅのMVなどを手がける。

子供のころから絵が好きだったが、親から「絵を仕事にすることはできない」といわれてしまう。高校に通うがなじめず原宿に繰り出し、高校卒業後は大阪に出たが、何もできず引きこもり状態だった。

寺山修司の「書を捨てよ、街へ出よう」という言葉に感動し、寺山氏の関係する東京の劇団に参加、舞台美術を手がけるようになる。ピンクや黄色をベースとした色のセンスは独特で徐々に評判となり、のちに原宿にショップを開くことになる。

2000年代に入り原宿ファッションブームが過ぎ去った後も、撤退せずに続けているうち、ネット経由で海外に広がり火が付いた。

「カルチャーは本質を理解しないとビジネスに活かせない」と考える。セバスチャン氏の kawaii は、ポップな色遣いの裏に、哀しみや悔しさ、孤独などを抱えている。

  • 田村淳

ロンドンブーツ1号2号で活躍する芸人。

最近のテレビはコンプライアンスが厳しくできることが減っている。「ルールの中で許されるのはどこまでか?」をギリギリまで追求した笑いを作り出そうとしている。またテレビ以外の世界、芸人による結婚式の司会業の運営や、政治進出なども屋てみたいと語る。

  • HIKAKIN

日本で比較的早い段階に有名になったYoutuber。

最初は「ヒューマンビートボックス」のパフォーマンスをYoutubeに上げたのが始まり。Youtuberという職業が知られていない時期だったが、Youtubeで食べていける確信を得てスーパーを退職する。

「部屋に来た友達を楽しませる感じ」の身近さを意識しファンを増やしてきた。ジャンルにはこだわっておらず、面白いものがあれば飛びつくようにしている。プラットフォームとしてもYoutubeより面白いものが出てくれば移りたいと考えている。自分の好奇心を大切にしている。

  • 小田吉男

飲食店などのプロデュースをしている。

学校で言われる「常識」が理解できなかった。高校を中退し「人を楽しませること」にフォーカスした仕事を手がけていく。

  • 小橋賢児

俳優として活躍していたが、映画監督やイベントプロデュースに転身する。

子役として芸能界に入り活躍していたが、有名になるにしたがい行動が制限されるようになる。インプットが減り自分の中にリアルが減っているのに、言われた通りにアウトプットすることに疲れを感じ、俳優から離れることを決意する。

芸能界と関係ないクリエイターたちと交流することで能動性を取り戻していった。マイアミで ULTRA MUSIC というダンスフェスに触れ、自分でもイベントプロデュースを手掛けてみたいと思い始める。

  • 岡田斗司夫

大学中退後、アニメ制作会社ガイナックスを立ち上げ、のちに作家・評論家としての活動を始める。 「オネアミスの翼」を成功させた後、自分で立ち上げたガイナックスを離れしばらくは引きこもっていたが、文筆業に就く。だが本を書いたり大学の非常勤講師として働くだけでは大した収入が得られないため、FREEexという有料ファンクラブ的なシステムを立ち上げ、お金を払って話を聞きに来る人を集めた。 今後は「家族」を会社的な組織にすることをミッションだと考えている。  

感想・考察

堀江貴文氏の著作となっているが、実質的には8人の自伝集的な本。

それぞれが、ちょっとホリエモンを持ち上げた自伝を書き、それにホリエモンが独自解釈でのコメントを付けている形だ。

8人の中では冒頭の武田双雲の話が一番面白かった。

未来に目標を置くのではなく「いま」を生き切る。禅的な考え方なのだろう。

「未来を良くしよう」という考えが必要なのかもしれないが、そのため「いま」を犠牲にするのはやはりおかしい。「目先の欲望に負けて先のことを考えず怠惰に過ごす」ということではなく「いまこの瞬間に、できることを全力ですべてやりつくす」ということだ。

他の人の話も、「参考にしたいともう部分」と「受け入れにくい部分」がそれぞれあったが、数十年前には主流だった「人生モデル」の前提が変わり始め、新しいロールモデルが必要となっている今日、少々極端な生き方をしている人の話を聞くことには重要なのだと思う。

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