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郵便配達人 花木瞳子が盗み見る

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手紙に秘められた歪んだ思い。

郵便配達人が不気味な謎を解いていく!

あらすじ

郵便配達人の花木瞳子は手違いで配達すべき手紙を持ち帰ってしまった。封筒を見ると宛名と差出人とも、同じ住所の田中義和 だった。気になって中を見るとたった一言「あなたは誰ですか?」と書かれていた。

以前、郵便局で瞳子と同じ部署だった持丸雄二は、後輩の佐藤一樹から不気味な手紙について相談を受ける。一樹を含め3人の「佐藤」姓の家に、意味不明の文章が書かれた手紙が届いているという。

ダイレクトメールに追われている橘川笙子は、家具もなく、全く人の気配のしない部屋に定期的に郵便が届くが、郵便受けには鍵がかかり誰かが回収している、という少しだけ不思議な話をする。

毎日のように、おでん屋「さなえ」に集まって飲んでいる、瞳子と持丸、橘川の3人は、お互いの不思議な話をもちより謎を解こうとしていてた。

瞳子は、田中氏の自分宛ての手紙がずっと続いていることが気になり、家の周りを探ってみるが、近くを歩いている老人から「田中さんは引きこもって家から出てこない」と言われる。

その後、一樹たち3人の佐藤の元に、不気味な手紙が何通も届く。手紙を見せてもらった瞳子は、消印が手押しであり窓口受付の郵便だと推理する。一樹たちは該当する郵便局で張り込んでいたが、手紙の送り主は現れない。

そのうちに、3人の佐藤のうち1人が殺されてしまう。パニックに陥った一樹を救うため、瞳子たちは犯人を探し出していく。

感想・考察

ほのぼのしたお仕事ミステリと思いきや、やけに気持ちの悪い文章の手紙が出てきたり、グロい殺害シーンが出てきて驚く。

叙述トリック的な仕掛けもあるが、読者を驚かせるためだけじゃなく「人は他人の一面しか知らずに分かった気になっているものだ」というメッセージが込められている。二宮氏の作品で結構欲出てくるテーマだ。

でも、それでも。お互いすべてを理解し合うことはできなくても、理解しようとし続けることはできるし、人間社会はどんな人も受け入れることができる。

そんな信念も感じさせる。

シリーズ化されているようなので、続きを読んでみよう。

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