AI時代対応 大人の知的習慣 「複合力」こそが究極の効率化である
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「目の前の現実」を確認・分析しながら
「ちょっと先の未来」を考える。
2つの頭の使い方「複合力」を身に付ける。
要約
- なぜ、今「複合力」が必要なのか
一人当たりの能力の高さを求められる時代となっている。「今」と「次」を同時に考える「複合行動」を習慣化することでが大事だとしている。
ライブな場面で正し判断をするためには、瞬間瞬間の状況を読みながら、どのような結果につなげるかを考える必要がある。
「やっていること」と「考えていること」の間に時間的なズレがあっても大丈夫な人は、頭がはっきりしていると言える。
- 「複合力」を手にするためのポイント
複合力を身に付けるための5つのポイントを解説する。
①自動化
自転車の練習を始めるときには、ペダルを漕ぐこと、ハンドルさばき、体のバランス、それぞれにエネルギーを使ってしまうが、ある程度慣れてくると、漕ぐことやバランスを取ることなど意識せず自動的にできるようになる。
そうして余裕ができると、周囲に注意を配って安全運転をしたり、人と会話をすることもできるようになる。
同じように、多くのことを自動化できればたくさんの仕事を抱えながらも余裕をもってあたることができる。
自動化の練習として速音読による日本語の強化を勧めている。
②ナビゲーターを持つ
常に複合的に頭を働かせる意識を持ち「ナビゲーター」を働かせる。
例えば話をする時に、目先で「話す」こと自体は自動化し、相手の反応や時間などを見ながら「話す内容を調整する」ナビゲーターを持つことで、上手く伝えることができる。
ナビゲーターを使いこなすため「15秒で伝える練習」を推奨。
③メタ意識を持つ
二つ以上のことを複合的にやることで、自分の行動を客観的に見る「メタ意識」が育つ。感情とは別の回路で行動の結末を推測し、その上で行動を選択できることが重要。
メタ意識を鍛えるために「いまここ」に集中して自分を見つめる瞑想を推奨。
④なんとなくで考え事をしない
なんとなく考えていても思考力は鍛えられない。考えることにでどんな結論を得たいかゴールを意識すべき。
考えたことをメモすると思考の密度が高まる。
⑤脳の許容量を増やす
高い集中力で難易度の高い仕事に当たることで自動化が進む。自動化が進めば脳に空きスペースが生まれる。
物事は、全体を見通して先を読むことと、今やるべきことをミスなくこなすことの両方で構成されている。
- 複合習慣の基本パターン
①話す×書く
話をしながら内容を書いてまとめるのは意外と難しい。書きながら考えをマッピングしていくとまとまりやすい。書き方にこだわらずとにかく書く練習をすると良い。
②聞く×書く
学校などで聞いたことを書く機会は多いが、聞いたことを自分なりに再構成して書くためには「積極的な聞き方」が必要になる。アウトプットを意識したインプットが大事。
③読む×話す
音読は脳を鍛える。速音読は自分の脳の働きを自覚するのに役立つ。練習すればするほど上達するのでぜひ取り組むべき。
- 著者が実践する複合行動
・旅する×読む
・泳ぐ×アイデアを出す
・会議に出る×呼吸法
・歩く×俳句/短歌
・読む×エアロバイク
・雑談×パソコン
・仕事×ラジオ
・落語×歩く
・飛行機×本
・電車×英語の本
・通勤×長い難解な本
・カフェ×アイデアを出す
・ルーティン作業×パブロフの犬
・暗唱する×歩く
・コピー取り×リラックス
・単純作業×セレトニン分泌
・お酒×交渉
など、著者自身が試している「複合行動」の紹介。
感想・考察
私自身はマルチタスクは苦手で、タスクを一つづつ終わらせていきたいタイプだ。
だが、ある程度無意識にできる領域を広げ、そこで生まれた余力で先の展開を意識的に考えていくことは、すべての面において有益なのだと思う。
いくつか難易度の低いものから取り組んでみよう。
「ラジオを聞きながら仕事」は絶対無理でも「エアロバイクを漕ぎながら読書」はくらいはできそうだ。