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国語、数学、理科、誘拐

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「勉強するってことは、知識や応用力とともに余裕を手に入れることなんだ。
そうなるとね、人にやさしくできるんだって」

あらすじ

 小中学生を対象とした個人塾「JSS進学塾」でおきた誘拐事件。塾長の加賀見と5人のアルバイト講師たちが事件を解決する。

ある日、小学生の塾生 山下愛子 を誘拐したというメールがJSS進学塾に届く。ボーカロイドの声で参考書の文字を指定するかたちで要求を伝えてくる。愛子の母親に連絡するも「仕事が忙しいので塾に判断を任せる」というあり得ない反応。

翌日、犯人の要求通り5000円の身代金をすべて1円玉で用意した5人の講師は、電話での呼び出しに応じ一人ずつ指定場所に向かう。指定された場所には各講師の担当科目に関する問題が暗号となり、行き先を指示するメッセージが置かれていた。

5人の講師は全員問題を解いて、身代金を指定箇所に置くことに成功した。その日の午後には山下愛子は犯人から解放され塾に戻ってきた。
講師たちは一年前にJSS進学塾を辞めた上高田が犯人なのではないかと疑う。

ところがその日の夜の授業の合間に、犯人から新たな犯行メッセージが届き、中学生の近衛美郷を誘拐したという。犯人は今回もボーカロイドのメッセージを使い、難易度の高い理科の問題で要求メッセージの暗号を解かせる。

 

感想・考察

2020年3月18日まで Amazon が Kindle向けに「春の無料本フェア」を開催している。本書は期間中だけ無料だったので試しに読んでみた。

コロナウイルスによる休校の影響なのか、本屋に人が戻っていると聞く。こういう時期、Kindleでも本書のような小中学生向けの本を無償公開して、読書人の裾野を広げてくれるのは嬉しい。

同じ作者の「浜村渚の計算ノート」もそうだったが、少々エキセントリックな登場人物たちが「学ぶことの楽しさ」を教えてくれる。

細かい伏線を拾い、複雑なプロットを追って謎を解くような「ミステリっぽいミステリ」ではないが、軽く楽しく読める作品だった。

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