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二度めの夏、二度と会えない君

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大切な人を二度失う。
今度はひとかけらの後悔も残さないように。

あらすじ

北高3年生の篠原智がギターを弾いていたとき、転校生の森山燐と出会う。

強烈な誘いを受けて智は燐とバンドを組み、ドラムやベース担当も引き入れて、4人組の Primember を結成した。

北高ではかつて出身バンドの人気が過熱し問題が発生したため、バンド活動が禁止されていたが、智の幼馴染で生徒会長の菅野瑛子や、楽器店店主の榎本優たちの協力も得て、何とか文化祭での演奏を成功させる。

智たちは喜びに浸っていたが、その直後、燐が倒れ入院してしまう。燐は完全回復の見込みがない心臓病を患っていて、最後のときを充実して過ごすため、北高に転入してきたことを知らされる。

燐は智に「バンドを続けて、前を向いて頑張って、そうしてくれると私は嬉しい」と伝える。智は燐に「ずっと好きだった」と告白するが、燐から猛烈な拒絶を受ける。

智は、燐が死の直前に書いた「ごめんなさい」という手紙を受け取る。燐の限られた時間の最期に彼女を傷つけ悲しませてしまったことを後悔し、学校にも行けずバンド活動も続けることができなかった。

失意に沈む智は雪の降る河原で転び、意識を失う。目覚めると数か月前、燐と初めて出会った時間に戻っていた。

智は「もう二度と燐を悲しませない。最後に最高に楽しい時間を過ごしてもらう」ことを決意し、自分の心に蓋をして、もう一度燐との夏をやり直す決意をした。 

感想・考察 

「死ぬことがわかっている人との再会」というタイムリープものでは鉄板の展開だ。「限りがあるからこそ大切に思う」切なさと、バンドにかける高校時代の夏の鮮やかさ。懐かしい気持ちになる話だった(自分はこんなリア充じゃなかったが。。)

疑問が残るのは燐が死の直前に智からの告白を受け、激しく拒絶したのは何故か、というところだ。

自分に思いを残してしまい、智が先に進めなくことを怖れた反応だった、ということかもしれないし、燐と智の一週目と二週目がねじれていたという読み方もできると思う。燐も後悔を残さないよう振る舞いを変えた、そして最後に同じ気持ちだったことを伝えたのかもしれない。

正解を明示されないラストは、自由に解釈が拡がって、それもまた面白い。

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