BookLetでは、ビジネス書や小説の1000文字程度のオリジナルレビューを掲載しています。

最高の体調 ACTIVE HEALTH

こちらで購入可能

要約

心身の不調の多くは「文明病」であるという。

人類は壮大な進化の歴史の中で環境に最適化してきたが、人類の進化と現代のミスマッチが生じている。これを解決するのが「進化医学」の考え方。自分が抱える問題のどこに遺伝のミスマッチがあるのかを特定し、遺伝に添うように修正する。

現代の環境を人類史の視点でみると「多すぎるもの」「少なすぎるもの」「新し過ぎるもの」があり、そのミスマッチが不調を引き起こしている。

多すぎるのは、摂取カロリーや塩分、精製穀物、また過度な衛生設備など。

少なすぎるのは、運動や睡眠、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素、自然とのふれあいや、少数の人間との深いコミュニケーションも減っている。

新し過ぎるのは、加工食品や抗生物質など。インターネットやコミュニケーションの変化によるストレスなども新しい。

進化医学的ミスマッチによる「炎症」と「不安」

都会に住む現代人は特に炎症レベルが高い。炎症が続くと多くの慢性疾患を引き起こし、うつ病などメンタルにも影響する。

内臓脂肪が蓄積すると炎症を引き起こす物質が分泌される。また睡眠不足と炎症にも相関関係が各員されている。

狩猟採取をしていた時代から「不安」はあったが、かつては目の前の敵や食料不足など「はっきりした不安」だった。それに対し社会が複雑化した現在では、不安の因果関係も複雑になり「ぼんやりとした不安」が生じている。

不安はアラームであり、はっきりと対処法が分かるものであれば有益だが、ぼんやりとして継続する不安は、心身を混乱させてしまう。

ミスマッチへの対策

現代人は腸のバリアが壊れている。そのため有害物質が吸収され、炎症レベルを高めている。

過度に衛生的な生活が腸内細菌の多様性を下げ、免疫力を下げている。特に抗生物質は有益な腸内細菌を殺してしまう。

納豆、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品は腸内細菌叢を改善する。また食物繊維も腸内細菌のえさとなるため好ましい。

逆に、高脂肪低食物繊維のファストフードや、精製糖の多い食品は腸内細菌叢に悪影響を及ぼす。

緑に囲まれた環境に身を置きリラックスすることも健康効果が高い。

良好な人間関係も重要だが、人類の歴史ではそれほど多くの人数と深い関係を築くことはなく、少数の相手の深いコミュニケーションをとることが有効だ。

また、過剰なストレスも心身に悪影響を与える。ストレスによるホルモンバランスの乱れが炎症レベルを高めることが確認されている。

睡眠時間を確保すること、短時間でも昼寝をすることはストレス対策として有効。またウォーキングなどの軽い運動でもストレスは軽減する。

SNSなどは従来なかった「超正常刺激」となり、ストレスを引き起こす原因ともなり得る。依存を自覚しているのであれば「デジタル断食」も有効。

「ぼんやりした不安」に対処するためには、明確な目的意識が必要。目的があれば目の前の困難を乗り越えることができる。自分の価値観を把握することが大切。

「死」も不安を呼び起こす。

自分を超えた偉大なものへの「畏敬」と、自分自身を客観視する「観察」が、不安を乗り越えるために重要。

自然や芸術などに「畏敬」を呼び起こすものに触れ、マインドフルネスなどを通じて「自分を自分を客観視し自覚的に作業を行う」ことが有効だ。

人生の目的を「遊び」として捉えることも有益。

遊びのポイントは「ルールがシンプル」で「行動に対して即座に反応がある」ことだ。複雑化した現在の仕事でも細かく分割して、分かりやすく反応を得やすくすることが大事。

感想・考察

人類が長い時間で築き上げてきた環境への対処策が、 現代の急速な変化に追いつかなくなっていることで「文明病」を引き起こしているという。

今の文明を手放すのでなければ、根本的に問題を無くすことはできない。

全体としては医療の進化は寿命を延ばし、文明の進歩は貧困を減らしているのであるから「文明を捨てて狩猟採集の生活に戻れ」というのも解決にはならない。

それでも、現代文明の環境と人体の機能にはミスマッチがあることを認識し、影響を最小限にする工夫をすること、「あいまいな不安」は無くせなくても、目標を引き寄せることで軽減できることは、理解しておくべきだろう。 

こちらで購入可能