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「ビジネス速読」仕事術 情報洪水に押し流されないノウハウ

速読術と記憶術をセットで解説 『「ビジネス速読」仕事術 情報洪水に押し流されないノウハウ』

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要約

「速読術」と「記憶術」をまとめて解説。びじねすでせいかをだs成果を出すためのノウハウ集。

速読で仕事効率を上げる意義
能力格差による差別化が広がる現代、情報収集力とそれを記憶して活用する能力が重視されてきている。
速読は、効率よく情報収集するだけでなく、集中力や理解力などの能力を高めてくれる。

速読の種類と方法
一般的な「熟読」が500字/分前後であり、それよりも少しでも早ければ「速読」であると解釈している。

ビジネス速読には、まず「目的意識を持つ」ことが大切だとする。「どうしてその本を読むのか、速く読む必要があるのか」を意識することで読み方が変わる。
その目的に応じて適した読み方を選択すればいい。時間があるなら熟読すべきだし、調べたい項目が決まっているなら、収集速読が必要になる。
また、目的を明確にすることで不要な部分を捨てる割り切りができる。

著者は速読の種類を以下のように分類している。
①触視速読
パラパラめくる程度、ほぼ内容は頭に入らない。だが文字認識力を高めるトレーニングとしては使える。1ページ1秒でページの真ん中に視点を置いて全体を読み取るように意識する。もう少しゆっくり、縦書きならNやW、横書きならZやEの字を書くように視線を移動させて周辺を意識する読み方もある。

 ②大筋速読
大意をつかむための流し読み。1行1秒程度。行の真ん中に視点を置いて一行丸ごとを読み取るよう意識する。ボールなどを行の中心に置いてガイドするやり方もある。

③収集速読
目的を持って「必要な情報」を拾い読みする。大筋速読では一行をまとめて眺めたが、一行を2分割、3分割して捉えていく読み方。これもボールペンなどを使った指差しガイドが有効。


④確認速読
キーワードを確認する読み方。やり方は収集速読と同じ。漢字やカタカナがキーとなる場合が多いので、漢字拾い読み、カタカナ拾い読みも有効。


⑤勉強速読/受験速読
熟読と同じ理解度で速く読む。読み落としを防ぐため、一行を5分割、6分割と小さめに区切って把握していく。
試験の場合は特に問題文の読み間違いや読み落としを防ぐことを優先する。圧倒的に速くはならないが、熟読時の1.2倍〜1.5倍のスピードになるだけでも試験では優莉。

速読で得た情報の記憶術
ビジネスの場では長期記憶より、短期的にすばやく正確に記憶する方が役に立つ。速読で収集した大量の情報は、素早く正確に記憶することでビジネスに活かせる。記憶に残すためには「強い印象を持つ」ことが重要。

①分割記憶
だらだら長い文章は理解しにくく覚えにくい。難しい場合は分割して覚える。記憶のためには整理が重要。
例えば「A社はB社に販売した製品Cについて、その保守点検の責任を負い、Bはその対価として年間○○億円を支払うもであるが、保証期間内にB社の責任に帰さない理由で製品Cが故障した場合、A社はA社の負担においてCの修理・交換に応じる責任を負うとともに、Cの故障によってB社に生じた負担について、両社の競技の上支払う義務を負う」 という文はパッと見て理解しにくいが、
・A社はB社に販売した製品Cの保守点検義務を負う。
・B社は保守費用としてA社に年間○○億円を支払う。
・保証期間内の故障についてA社は修理、交換の義務を負う。
というように、分けていくと記憶しやすくなる。

②音感記憶
言い換えやダジャレ。語呂合わせなども有効。

③連結記憶
略語と正式名称などを対にして覚えてしまう。

④ストーリー記憶
直接関連がない複数のものを覚えるときは、無理やりでもストーリーを作ると覚えやすい。

⑤引き出し記憶
覚えるものに番号を振ると引き出しやすくなる。番号の代わりに自分の身体の一部を振り当て、そこに覚える対象と関連付けたイメージを貼り付けると良い。

⑥いもづる記憶
一つのことから連鎖的に想起されるものは、グルーピングして覚えてしまう。

⑦はりつけ記憶
例えば初めてあった人に、特徴的なあだ名をつけるなど。印象の強いイメージを貼り付けることで思い出しやすくする。

⑧イラスト記憶
イラストに描くことでイメージとして記憶することができるようになる。

⑨数字記憶
語呂合わせを強力に推奨。

⑩頭出し記憶
まとめて覚える対象の、頭文字だけを繋げて覚える。

⑪置き換え記憶
「例えば」で身近なものに置き換えて覚える。

感想・考察

速く読むのに「周辺視野」とか「動体視力」とかは、あまり関係ない気がする。
読む速さに確実に関係しているのは「集中力」と「知識」だろう。

集中力が薄れると、読む速さも理解度もと途端にガクッと落ちる。逆に集中力を保ててさえいれば、そこそこの速さで読める。
集中力を切らさないためには、電子書籍でも読書専用端末を使うとか、環境を整えることが必要。その本から何を得たいのかという目的意識をもって読むことも重要だ。

また、背景知識のない分野の本を読んでいると、どうしてもスピードは落ちる。その分野の基礎用語など、ある程度の理解があると俄然速く読める。
関連分野の本をまとめて読むと、読書スピードは速くなる。逆に新しく得る情報は段々少なくなっていくともいえるが。。。


幅広い分野の情報に触れることで、知識の化学反応が起こるのは快感だ。これからも乱読は続けたい。

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