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聞く力 心をひらく35のヒント

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要約

阿川佐和子さんがインタビュー企画を通して身に付けた「聞く力」を解説する。
35項目のうち、印象に残ったものを上げていく。

面白そうに聞く
鋭い突っ込みや、相手をドキッとさせるような質問をするから深い話を聞けるのではない。聞き上手というのは「この人に語りたい」と思うような人だ。

質問の柱は三本
質問項目をたくさん準備すると、その流れ通りに話すことに気を取られて話をしっかり聞くことができず、会話の流れで生まれたポイントを見逃してしまう。
準備する質問が少ないと、次の質問を話の流れから見付けなければならず、相手の話を本気で聴くことになる。
阿川氏は3つの質問を準備してインタビューに臨んだという。

「あれ?」と思ったことを聞く
話を聞く前に相手のことを調査し過ぎると、既知の情報に引っ張られ素朴な疑問や驚きが消えてしまう。未知の部分を敢えて残しつつ、自分が気になったことを聞くのが良い。

会話は生ものと心得る
語り手と聞き手の間に化学変化が起き、予想通りに終わらない対談の方が面白味がある。人間の「うつろいやすさ」を味わう。

話が脱線したときの戻し方
脱線した会話が面白くなることはあるが「聞かなければならないテーマ」がある場合、話を戻す必要がある。まずは「脱線した話」をとことん楽しみ、その中に本来聞くべきだったテーマに関連する言葉がないか探してみる。
もっと強引に行く場合は、大きな声で「おっしゃる通り」と相手の発言を肯定し同調する。同調された側一瞬油断するので、その隙に自分の話を展開し始めるという手もある。

素朴な質問を大切に
「こんなことも知らないのか」と思われるのを恐れずに、素朴な質問をぶつけると、その道の専門家は意外と喜んで教えてくれたりする。背伸びをしたところで、どうせ化けの皮はすぐに剥がれる。

なぐさめの言葉は二秒後に
落ち込んだような言葉や自虐的な発言があったとき、黙ってしまうのは良くないし、逆に間髪入れずに否定するのも嘘くさくなる。
大体二秒くらい溜めてから否定するといい感じ。

相手の目を見る
会話をする時は相手の目を見るのが礼儀。ただ日本やアジアの一部では「相手の目を見ないことが敬意を表す」という文化もあるので理解は必要。

安易に「わかります」と言わない
自分の似たような経験を思い出し、相手の気持ちを推しはかるのは大事。だがその経験がどれだけ相手と似ているかは誰にもわからない。「わかります」を安易に使うと傲慢と受け取られる恐れもある。

相手のテンポを大事にする
答えがないとき、相手は考えているのかもしれない。沈黙を怖れて、自分で回答を予測して応えてしまったりすると、相手は話せなくなる。

感想・考察

ぶっちゃけ聞き方のノウハウよりも、著者と著名人との絡みエピソードが面白い。
デーモン閣下の「ヘヴィメタ講義」とか、遠藤周作さんの「具体的な話へのこだわり」とか。著者の切り口も文章も面白く、インタビュー裏話として楽しめた。

「聞く力」のヒントとしてみると、メッセージはシンプルだ。
・相手に興味を持つ。
・話の組み立て方にこだわりすぎず流れを大切にする。
・マウントを取ろうとせず謙虚な姿勢で聞く。
・相手に敬意を払う。
というあたりに集約できる。

誠意をもって相手に接するという当たり前のことだけど、それがなかなかできなかったりする。。

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