タカイ×タカイ CRUCIFIXION
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あらすじ-ネタバレあり
Xシリーズ第3弾。
今作でも SYアート&リサーチの小川令子と真鍋瞬市が事件の謎を解く。
S&Mシリーズの西之園萌絵も登場します。
真鍋瞬市は、大学へ行く途中に学友の永田絵里子と会い、マジシャン牧村亜佐美の宅地内にある15mほどのポールに死体が吊り下げられているのを見た。ポールに吊られていた死体は牧村のマネージャ横川だった。
真鍋から話を聞き興味を持った小川令子は事件現場を訪れた。小川はそこで、警察と話していた西之園萌絵に出会う。
事件から一週間が過ぎた頃、永田は牧村は知り合いの鈴原万里子に声をかけ、真鍋と一緒に牧村家を訪れた。
牧村の熱心なファンである鈴原は、事件当日、ホテルの一室で牧村や他のファンと一緒に飲み明かしていた。これが事件の起こった深夜の牧村のアリバイを証明することになる。
同じころ、小川たちの探偵仲間である 鷹知祐一郎は、実業家の三澤宗佑から事件の調査を依頼されていた。三澤の娘 有希江が殺された横川の婚約者であり、また宗佑自身が牧村にも出資していたことから、事件の真相を知りたいということだった。
牧村のアリバイを証言した鈴原は、当日集まっていたホテルに三澤有希江もいたこと、横川が姿を消した後に彼女も姿を消していたと話す。
また横川は、何かのサプライズを狙ったのか、一同を電話で駐車場に呼び出したが、結局その場に現れなかったことも判明する。
小川は学生時代に友人だった三澤有希江から話を聞くと、有希江は「横川を殺したのは私だ」と告白した。
鷹知が、三澤宗佑に有希江が事件に関与している可能性を報告すると、宗佑も「私が殺した」という。
西之園萌絵が牧村に有希江が自白したことを告げると、牧村もまた「自分が横川を殺した」といった。
3人のうち、実際に殺したのは誰なのだろうか。
感想
本作では西之園萌絵がガッツリ参入してくれるのが嬉しい。
S&Mシリーズと比べだいぶ落ち着いたが、これもまた魅力的。
やっぱり森博嗣ワールドでは西之園萌絵がナンバーワンのヒロインだ。
萌絵から必死に逃げる椙田が何だか可愛いが、この辺りはGシリーズを読まないと理解できなそう。そちらも読んでみよう。
若干常識に欠ける真鍋と、奔放な永田の かみ合わない会話も面白い。
ミステリとしての仕掛けは割と単純だが、3人がそれぞれ自白する展開は意外で、その心情の切なさも感じる。