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化物語(上)

化物語(上)

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あらすじ

「物語」シリーズの第一作。
阿良々木暦が怪異たちとの物語。

  • ひたぎクラブ

阿良々木暦が、階段を滑って落ちてきた戦場ヶ原ひたぎを受け止めると、彼女は異様に軽かった。

気になった阿良々木は学級委員の羽川翼に戦場ヶ原の話を聞く。
その後部屋を出ると、戦場ヶ原にカッターナイフとホチキスを突き付けられ「私に関心を持つな」と脅される。そして彼女は阿良々木の頬にホチキスで針を打ち込んで去っていった。

阿良々木はとある怪異に触れてから、驚異的な回復力を持っていた。
ホチキスの針による怪我が一瞬で治癒したことを示し、「蟹」に体重を持って行かれたのだという戦場ヶ原に「お前の、力になれるかもしれない」といった。

阿良々木は、以前自分を怪異から助けてくれた 忍野メメの元に、戦場ヶ原を連れていった。

忍野は、戦場ヶ原の体重を奪ったのは「おもし蟹」だった。
彼女を助けることはできず「彼女が自分で助かる」ことしかできないのだという。

  • まよいマイマイ

母の日の日曜日、朝から妹たちと喧嘩した阿良々木は家に居づらく、自転車に乗って少し離れた場所にある公園に来ていた。

阿良々木が公園で戦場ヶ原と話していると、小学生くらいの女の子 八九寺真宵が住宅地図の看板に見入っている。彼は何度も地図を見ている八九寺に声をかけた。

八九寺は、父と離婚した母親に会いに行きたいのだという。
阿良々木と戦場ヶ原は、メモの住所を頼りに案内するが、どうしてもたどり着くことができない。元々周辺に住んでいて土地勘のある戦場ヶ原でも迷ってしまい、GPSも使えない。

不審に思った戦場ヶ原は、自転車に乗って忍野の所まで相談に向かった。

忍野は阿良々木が「迷い牛」に捕まっているのだという。

感想

セリフ回しが素晴らしくカッコいい。
絶妙な毒舌とコミカルな切り替えしに笑わされ、時々混ざる「深い思いの乗った言葉」には鳥肌が立つ。

たとえば、戦場ヶ原の「優しさも―敵対行為とみなすわよ」というセリフ。攻撃的な発言の裏に潜む「絶望感とそれでも戦う意思」がカッコいい。

たとえば八九寺真宵の「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」というセリフ。生意気なガキんちょの発言の裏に「とんでもない優しさ」が潜む。

最初に見えている部分がすべてじゃない。問いかけていくことで見えてくることがある。

忍野が戦場ヶ原に、そして戦場ヶ原は阿良々木に言う、

正しい事実が一つあったとしてーそれを二つの視点から観察したとき、違う結果が出たとする。そのとき、どちらの視点が正しいかを判断する方法は、本来ないー自分の正しさを証明する方法なんて、この世にはないのだと

そう、全ては解釈次第なのだから、絶対的な正しさなんてない。
それでも、相手に関心を持って問い続けることで「より広く深い解釈」はできる。
拒まれながらも相手を理解することを諦めなかった阿良々木は、戦場ヶ原のことも八九寺のことも、より深く理解することができた。

いやぁ、本当にカッコいい話だ。

関係ないけど、化物語について書いていると「はち」まで入力した時点で「八九寺真宵」が変換候補に挙がった。 Google IME も怪異だ。

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