沈黙の目撃者

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「特殊設定+エログロ+意味怖」ミステリ
ぶっ飛んだ「特殊設定」だけど、それが「ミステリのロジック部分」に関わってくる感じではない。どちらかというと「不思議で不気味な話」の小道具になっている。「世にも奇妙な物語」っぽい感じだ。
とくに2話目の『まちがえられなかった男』の後味の悪い不気味さは「意味がわかると怖い話」系統。
3話目以降はエログロ要素が入ってくる。かなりエグいので引いてしまう人もいるかもしれない。
ゾクゾクする感じを求める人には刺さる話だろう。
あらすじ
- 沈黙の目撃者
退職した元刑事が撲殺された。
隣人は「被害者男性ではない女性の助けを求める悲鳴を聞いた」というが、その女性の姿はどこにも見えなかった。
被害者と親しかった刑事は現場を訪れ、全くアルコールを飲めなかったはずの彼の家に、ビアマグとビールの空き缶があったことに違和感を覚えた。
- まちがえられなかった男
とある女性が殺害され、彼女と前日会っていた男が事情聴取を受ける。
男は被害者女性と数ヶ月前に仕事関係で顔を合わせていて、お互いに名前だけは知っている間柄だった。
二人はカフェで偶然出会い、男は彼女を食事に誘う。彼女も乗り気だったが男が名刺を差し出した途端に反応が悪くなる。一度解散して待ち合わせをしたが、結局彼女は約束の場所には姿を現さなかった。
数ヶ月前に名刺交換した時と苗字が変わっていて「既婚者であることがバレた」から、彼女は来なかったのだろう、と男は考えた。
だが、彼女の意図は全く別のところにあった。
- リアル・ドール
男が意識を回復すると、目の前にはかつて家庭教師をしていた少年の母親の姿があった。
かつて清楚な印象のあった彼女だが、ずいぶんとやさぐれてしまっていた。聞けば「夫と離婚した」といい、そして「その原因はあなたにある」のだという。
- 彼女の眼に触れるまで
バーの女性客がタンブラーで提供されたペリエを飲むと様子が急変し、連れの男性が戸惑う。バーテンダーの男と「彼女」の間には、特殊な密約が存在していた。
バーの常連客である警察OBの男は、数年前の女性殺害事件と、最近起きている連続殺人事件とが関連づけられているという情報を明かす。
- ハイ・テンション
中学時代ヤンキー娘だった女性と、当時彼女の担任だった女性教師。
十数年後に意外な形で再開した二人の物語。