翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

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愛あるかぎり闘いましょう。
命、燃え尽きるまで。
「密室」「見立て」などなど、ミステリの様式にのりながら、その「お約束(フォーマット)」をことごとく破壊していきます。
早坂吝さんや七尾与史さんなどによる、いわゆる「バカミス」といわれるミステリでも「謎解き」部分はフェアに仕掛けられていましたが、本作は舞台設定から登場人物、謎解き部分まで徹底してアナーキーです。
ダブル探偵ってのは割とあるけど両方ポンコツっていうのはそうないですし、関係者を集めた「解決編」の推理が間違っているのも(それも3回も)なかなかレアです。さらには探偵が途中で投げ出して失踪したり。。
「考えて騙される」のがミステリの醍醐味ですが、「考えたことを後悔する」ような凄みがあります。とにかく強烈に印象に残りました。
あらすじ
探偵の木更津は、大企業グループを抱える今鏡家の伊都から依頼を受けた。
木更津は助手役の推理小説作家香月と共に、今鏡一家が住む蒼鴉城に赴く。
だがそこでは依頼主の伊都が甲冑を着せられ、首と足首を切断されて死んでいた。警察はすぐ近くで生首を発見する。だがそれは伊都の首ではなくその息子有馬のものだった。
やがて伊都の首と有馬の胴体は密室で発見される。現場にはなぜかミカンの種が散らばっていた。
その後も、怪しい屋敷で怪しい家族が次々とに殺されていく。
木更津は奇想天外な「真相」を披露した。