BookLetでは、ビジネス書や小説の1000文字程度のオリジナルレビューを掲載しています。
「でも私はね、人生は何度でもあるって思うの。どこからでも、どんなふうにでも、新しく始めることができるって」 赤と青 二色の絵の具で描かれたエスキース(下絵)と、その絵に関わり過ぎ去っていった人たちの物語。とくに第3章の漫画家の話が好きです。格好悪く足掻く漫画家タカシマがやたらと格好いい!ストーリー全体にも仕掛けが施されていて、エピローグを読んだ後にもう一度最初から読み返したくなりました。ミステリではないけれど、緻密に張られた伏線はなかなか見事です。ネタバレになってしまうのであらすじ紹介の後に伏線解説をしようと思います
あきらめたら試合終了でも、あきらめてたら、もっと大きなチャンスがあったかも 本書は「しつこさ」の効力と、その方法を説いています。スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクの例を挙げ、しつこくあきらめないことが成功をもたらすのだといいます。確かにそうでしょう。途中でやめたら成功に辿り着けないのだから、達成した人があきらめていることは論理的にあり得ません。でも、ここでポイントになるのは「あきらめなかった」ことではなく「あきらめなかった対象がうまいこといった」ことです。持続力、集中力がなければ何事も成し遂げられないのは間違いない。挑戦する前にあきらめたら絶対に達成できない。でも今の目標を堅持し、そのやり方を「あきらめない」ことが、別の可能性を塞いでいることもありえます。ジョブズやマスク、彼らが「あきらめなかった」こと