BookLetでは、ビジネス書や小説の1000文字程度のオリジナルレビューを掲載しています。
誰が許さないの?自分の人生を生きることを誰かに許されたいの? 好きな人と過ごし、好きな場所で暮らし、好きなことをする。私は「自分の人生を生きたい」と思います。同じように感じている人も多いのではないでしょうか。でも人生を自分で選択しようとする人の前には障害も多い。例えばお金。経済的な自由がなければ誰かに依存することになるし、会社などの組織に縛られてしまいます。自分で自分を支えられるだけの経済力を持つことは自由の前提条件です。例えば人間関係。誰かに存在を認められ、誰かの存在を認めて生きる、そういう社会的欲求を持つ人が多いのではないでしょうか。人との絆を求めるのはいいけれど、そこに依存してしまうと自分で生きることはできません。
前向性健忘症を抱えた女性のラブストーリー。「前向性健忘」は・銘記(出来事を心で感じ取る)・保持(銘記したことを心に刻む)・追想(保持したことを思い出す)という記憶のステップのうち「保持」ができず、新しい記憶を保てない病気だ。「追想」に障害があると、ある時点のことを思い出せない「逆行性健忘」となる。主観的には、逆行性健忘では「過去が失われた」と感じるのに対して、前向性健忘では「未来を積み重ねることができない」と感じられるのだろう。どちらもイヤだけど、未来を失う方が辛い気がする。過去の経験を忘れたとしても人格が保持できない訳ではないと思う。「人格」の本質は「蓄えられた経験の情報」ではなく、「肉体というハードウェアによる反応の積み重ね」の方にあるのだろう、と言う考え方だ。一方、未来に記憶が繋げないのはとても怖いと思う。未来が失われたように感じてしまうだろう。でも実際のところ、健全な人間