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青くて痛くて脆い

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あらすじ

「あらゆる自分の行動は相手を不快にさせてしまう恐れがある」と考える田端楓は、大学に入学して「人に不用意に近づかず、反対意見は口にしない」ことをポリシーとしていた。
だが、周囲から浮くことを厭わず理想を追求する 秋吉寿乃と出会い、楓は少しずつ動き始める。

寿乃は楓と一緒に「モアイ」というサークルを作り「4年間でなりたい自分になる」という理想を掲げて活動を開始した。

時は過ぎ、4年生になって就職も決まった楓だったが「自分じゃない言葉」を重ねてきた自分に苛立つ。
楓は、巨大化し就職活動に役立つ人脈作りなど現実的な活動ばかりになったモアイからは、すでに離れていた。
「今はもうこの世界にいない」寿乃の理想を実現するため、寿乃と楓を裏切ったモアイに復讐することを誓う。

楓はモアイの内情調査に乗り出すが、現代表のヒロなど古参メンバーとは面識があるため、友人の董介や後輩たちの協力で情報を集めていく。
幹部メンバーであるテンの女性問題で混乱させようとするも空振ってしまうが、モアイがメンバーの名簿を企業に流出させていることをつかみ攻撃を開始する。

楓は SNSで炎上し追い詰められた代表ヒロと対決する。

感想・考察

最初は「青臭くて痛々しい」のは、周りを気にせず理想を追い求める 秋好寿乃だと思って読んでいたが、田端楓の方がずっと「痛いヤツ」だった。

「相手を不快な気持ちにしないよう距離感に気をつかう」のは普通のことだ。社会的に生きる上ではりを気にせず理想を追い求める 秋好寿乃だと思って読んでいたが、楓の方がずっと「痛いヤツ」だった。

「相手を不快な気持ちにしないよう距離感に気をつかう」のは普通のことだろう。社会的に生きる上で不可欠だと言える。だけどそれは大体の場合、「相手のため」ではなく「自分を守るため」になっているのではないか。

楓は変わっていくモアイに意見することなく、自分を傷つけないよう黙って去っていった。それならそれでいいけれど、後から恨んで復讐するのは、ヒロが言うように「気持ちが悪い」

「人に迷惑をかけない」ことを第一としてきた自分への痛烈な批判だと感じた。

最後に楓が一歩前に進もうとするのが救いではあった。

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