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深く考えるための 最強のノート術: ――年収1億稼ぐための思考法

深く考えるための 最強のノート術: ――年収1億稼ぐための思考法

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要約

自己成長のためのツールとして「B5ノート」を使い倒すことを推奨している。
著者は、仕事のメモも、読書記録も、ToDoリストも、プライベートな買い物リストも、全て一冊のノートにまとめている。

1.手書きするノートの良さ
アナログな手書きノートは検索性や保存性、機密性などでデジタルツールに劣るが、アイデアを出したり問題解決するための「思考補助ツール」としては優れている。
考えているつもりでも頭の中だけでは思考は進まない。書き出して発想を構造化することで展開させることができる。

2.ノートの機能
紙に文字を落とすことは、知的能力を高めたり、夢の実現をサポートしたりする。ノートの代表的な機能を6つ挙げている。

①脳外ハードディスク
発想はすぐに消えてしまう。すぐにメモすることで後に役立つアイデアが拾えるかもしれない。

②脳内クリーナー
「やらなきゃいけないことがある」というプレッシャーが悪影響を与える。書き出してやるべきことを整理すれば、それだけで落ち着く。やるべきことが見えていると目の前のタスクに集中できるようになる。

③思考力強化養成ギプス
頭の中で考えるだけでは、思考を構造化ができず重要な点に不足があっても気づかない。書き出して客観視することでより具体的に複数の視点から感がることができるようになる。この繰り返しが論理的思考力を高める。

④ブレイン・インストーラー
セミナーなどの話を自分なりに整理しながら書き込むことで、よりスムーズに他人の知恵を取り込むことができる。

⑤アイデア量産・熟成ツール
最初はキーワードや断片的な思い付きを書くだけでも、後から見返したときに良いアイデアが浮かぶこともある。時間を置くことで脳内で熟成されている。

⑥自己実現への自動追尾装置
目標を書き出し意識に上げることで、日常に忙殺されていても全神経が目的地に向かおうと動く。夢を具体的な「目標」に変換して実現を目指す。

3.ノートのルール
ノートの取り方は人それぞれに適したやり方は有るが、著者が実践し定着した方法を紹介する。

① B5サイズ
ある程度の紙面がないと広々と書くことができず、発想が縮こまってしまう。持ち運びのしやすさとのバランスで B5サイズが良い。

②厚めの台紙があるリングノート
リングノートは折り返せばコンパクトで、台紙があれば立ったまま書くこともできる。

③罫線なし
罫線があると思考が引っ張られてしまう。罫線なしか方眼タイプが良い。

④一冊に統合
プライベートと仕事用などで分割しない。一冊であれば持ち運びが楽だし、関係ない情報が列記することで「クロススパーク」が起こり、新たなヒラメキを得ることもある。

⑤日付と発言者とテーマタイトルを入れる
ある程度の検索性は必要。

⑥線で関連付けながら書く
図解っぽく書くことで思考が構造化、ストーリー化される。

⑦後から見返す
時間をおいて見返すことで、脳内で熟成されアイデアが浮かぶこともある。書いたら終わりではなく、何度も見返す。

⑧1ページ1テーマ
余白が残っても構わない。思考が広がるようにたっぷりとスペースを取る。

⑨色を使い分ける
人が情報を読み取るとき、色が一番先に目にとまり、次が図解、最後が文章。三色ボールペンなどを活用し、色で情報を仕分ける。

⑩とにかく量を書く
特に最初は何でも書く。後から量が質に転換されていく。

4.ノートを使った「ブレイン・ワークアウト」
脳みその中を吐き出し、やるべきこと、やりたいことを明確にし、実現に向かう方法として「ブレイン・ワークアウト」を提唱する。

①欲望をすべて書き出す
誰に見せるわけでもないので、わがままでも構わない。100個はやりたいことを書きだす。

②ToDoを書き出す
すぐにやるべきことも100個書き出す。

③優先順位をつける
ステップ①、②で書き出したことに優先順位をつける。締め切りの日付を入れる。他人に任せていいことは敢えて自分ではやらずリストから外す。

④行動レベルにブレイクダウンする
優先順位の高い項目から、具体的な行動に落とし込んでいく。

⑤処理したら消し込む
やり終えたことは線を引いて消していく。

⑥リバイスしていく
新しいToDoができたら書き足していく。新しいノートに移る際は面倒でもリストを作り直すと、その度に棚卸ができる。

5.ノートの実践的な使い方
著者が実際に実践しているノートの使い方を紹介。

①打合せ
書きながら打ち合わせ共通認識を作る。口頭で話すだけでは誰も行動しない。書き落とすことで動く企画になる。

②セミナー
講演内容を構造化して書き込んでいくと、飛躍している部分などが見えてくるので、そういう点を質問すると良い。また後で読み直すと短時間で全体を俯瞰しておさらいできる。

③読書
心に響いたキーワードを片っ端から拾い上げて書いていく。本に直接書き込んで「本そのものをノートにする」という手段もある。

④時間活用
自分の時間の使い方を書き出して集計することで、何に時間を使っているかが見えてくる。そこからどのような時間の使い方をすべきかを考えることができる。

⑤資格取得
「間違いノート」を作り間違えた理由を書き出していく。何周かするうちに、自分の本当に弱い部分が見えてくる。

⑥問題解決
問題とその解決策をツリー上に書き出していく。具体的なレベルまで落とし込む。

⑦紙上ディベート
「肯定派」「否定派」両方の立場でノート上で議論してみる。論理的思考力を高めるトレーニングになる。

⑧自分コーチング
落ち込んでいる内容を書き出してみる。自分の内面を客観視することが助けになることもある。

⑨節約ダイエット
お金の使い方を記録することで、傾向が把握できる。何に使うべきか、どこを節約するか考えるベースとなる。

感想・考察

どういうわけか、読んでいてやたらとモチベーションが高まった。

読み終わったのは深夜だったが、すぐに「これをやりたい!」「これも試してみたい!」という気分になり、すぐにノートを引っ張り出してみたりした。


だが、実際に取り組むとなると、手書きのノートというのは結構使いづらい。
携帯性や、情報の機密、保存、検索 などを考えると、デジタルツールにはかなわない。常に紙とペンを持って歩くというのは非現実的だ。

確かにモノを考えるときには「手を使って紙に書く」という作業が圧倒的に有利だと思う。手書きでキーワードを書き、構造化しながらアイデアを練るのが一番やりやすい。頭の中だけで論理的思考を進められる人もいるのだろうが、少なくとも私には無理だ。

アイデアを練るとき、論理的な思考を進めたいときには、手書きにするべきで、その結果をデジタルツールで記録すればよいのだろう。

一方、アイデアを忘れないようにメモをするのであれば、携帯性・機密性・検索性に優れているスマホのメモ機能の方が適している。手書きと比べると頭に残りにくいかもしれないが、それでも書かずに記憶しようとするよりマシだ。
紙とペンを持ち歩くのは不自然だが、スマホはいつでも持っているし、メモを取る位ならすぐにできる、書いた内容を後から検索するのも楽だし、ロックができるから人に見られることを気にせず、自由に書くことができる。

紙とデジタルツールのハイブリッドで「ノート術」を広げていきたい。

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