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おらおらでひとりいぐも

おらおらでひとりいぐも

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グルーヴィーな東北弁で語る、パンクでファンキーなお婆ちゃんのモノローグ。

老いることの悲哀から逃れ、孤独ゆえの自由と解放を高らかに謳う。

あらすじ・概要

74歳になる桃子は夫に先立たれ、子供たちとは疎遠になり、一人孤独に暮らしている。

自分の中の別の自分たちと語らいながら、捨ててきた故郷の風景、夫に尽くした半生、夫に先立たれてから一人で生きた日々を思い出す。

孤独を自覚しながらも、従順に世界に迎合して生きた日々から解放された喜びを感じる。「おらおらでひとりいぐも」と世界と伍していくことを宣言する。

それでも死を身近に意識したときには、孫に繋がっていく命を感じ魂を救われる。

感想・考察

とりとめのない桃子のモノローグが区切れなくダラダラ続くので相当読みにくい。が、東北弁のリズム感と畳みかけるようなイメージの重なりが、徐々に不思議な浮遊感を醸し出してくる。やけに音楽的な文章だ。

一人の人間が常に論理的に整合した生き方をするわけではないし、矛盾したいくつもの思念がある。本書では「孤独を恐れるわたし」「自由を謳歌するおら」「夫に尽くしたわたし」「夫を愛したおら」、と桃子の多様な側面が多層的に描かれている。ストーリーを理解しようとして読むと混乱してしまうので、感情の流れに寄り添うような読み方が必要なのだろう。

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