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マンガでわかる! 人は「暗示」で9割動く!

マンガでわかる! 人は「暗示」で9割動く!

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無意識に訴えて相手を動かす!

要約

「暗示を使った心理誘導」をビジネスの場で活かす方法を説く。

  • ノンバーバルメッセージで安心させる

おだやかな表情や声、快活な笑顔、和やかな速度の話し方、相手の目を見て和やかに、といったような言語以外の表現が大切。一番使いやすいのは「あいさつ」。

  • 「呼吸」を合わせ一体感をだす

身ぶりや話すスピードなどを相手に合わせる「ペーシング」は有効だが難しい。合わせやすいのは「呼吸」。呼吸には心理状態も現れる。

  • 好感度を上げる「共感サイン」と「あいづち」

芸人になったつもりで表情をややオーバーに表情は明るく「あなたの話を聞いているよ!」ということをアピールする。広角を1センチ上げ、眼じりを5ミリ下げる意識。また好意的なあいづちは、共感・好意を伝える効果がある。

  • 暗示効果が倍増するタイミング

頼みごとをするなら「相手がウキウキしているとき」を狙う。相手に余裕がなさそうな時は避ける。

  • 暗示は「3回」はくり返す

相手の心に響くポジティブな暗示をかけるなら、最低でも「3回」は繰り返すことで効果が出る。「○○さんは仕事が早いね!」「○○さん、もうできたの!」「こんなに早くできるなんて、○○さんはすごいね!」など。恋愛の告白も初回は疑われても3回目くらいには気になってくるもの。

  • 誰もが「親切」に飢えている

 誰もが親切にされたいと思っているが受取れない。だからこそ小さな親切が目立つ。相手が困っていそうなときは勇気を出して声をかけてみる。

  • ポジティブに話す

 同じ内容でもネガティブな表現より、ポジティブな表現の方が受け入れられられる。「ネガティブな表現はダメ!」よりも「ポジティブな表現が良い!」と言う方が好まれるし結果受け入れられやすい。

  • しょげている人を励ます

 ミスに対して「次は頑張れ」、「このミスを忘れずに活かせばいい」というような励まし方は相手を委縮させる。「失敗しても大丈夫」と相手をリラックスさせる言葉が必要。

  • 負の暗示を説く

 「自分にはできない」という負の暗示をかけてしまっている人には「みんなできているから大丈夫」と暗示をかけることでできてしまうこともある。

  • 反論は「質問形式」で

 正面から反対されると不愉快に感じるので、質問形式で自分の意見を混ぜ込む。例えば「人員が足りない」と言いたいときは「素晴らしい企画ですね!! ところで人数は××任で十分でしょうか?」など。

  • 断るのは「少し様子を見ませんか?」

正面切って断るのは相手のメンツをつぶしてしまうことになり「反対」の強いメッセージを伝えてしまう。賛同しながら「もう少し様子を見ませんか?」と先送りにする作戦が有効。

  • 自己コントロール感を持て

 自分に対しては「私はツイてる!だから何をやってもうまくいく!」くらいの自惚れで自己暗示をかける。自分が全てコントロールできるという感覚が大事で、自信がある人ほど才能が開花しやすい。

  • 動揺が消える「口ぐせ」

 想定外のことが起こったときは、大丈夫だと「すぐに」自分を励ます。時間を置かないことが重要。

  • アゴを20度上げて快活な表情に

ハッタリでも元気な姿を見せるのが大切。 アゴを20度上げると快活な表情に見える。ただ、それ以上上げると尊大に見えるので注意。

  • 「完了形」で夢を唱える

潜在意識を活性化させるプラスの暗示は 完了形で。「お金持ちになりたい」ではなく「私は今着実におかねもちになりつつある」と暗示をかける。

  • 夢は大きな字で書こう

自分の名前を大きく書く子供は将来成績が伸びる可能性が大きい。願い事を書くときはのびのびと大きな字で余裕をもって。 

  • 口を割ってもらうには

口の重い相手には「差し支えのない範囲で構わないので」などハードルを下げてみる。人はいったん口を開くと警戒心が緩んで話しやすくなる。

  • フレームを変えてみる

 同じ内容でも文章の枠組み(フレーム)で印象が変わる。「議員の9割は賄賂を受け取っている」と聞くと÷印象を持つが、「1割の議員は賄賂を受け取らなかった」というと良い印象をもつ。また適度に相手の不安をあおるフレームも有効。

  • 説得力が増す方法

 メッセージに数字を入れると説得力が増す。「けっこう多い」より「60%多い」の方が客観的に見える。また基本的欲求を組み込んだメッセージは相手に刺さりやすい。「美人OL温泉グルメ旅殺人事件」とか。

  • 怪訝な顔をされたら言い換える

 「分かりましたか?」という確認は相手を攻める印象がある。相手が理解していないと感じたらすぐに言葉を言い換える。「つまり○○ということです」など。

  • 「反対意見」を それとなく混ぜ込む

 一方的にメリットを語るとうさん臭く感じる。反対意見があることも混ぜ込み、「○○という人も一部いるのですが、総合的に見ると××だと思う」という方が説得力が増す。

感想・考察

最近「マンガで分かる」シリーズが色々出ている。

私はテキスト主体の本を読むのが好きな方だが、分野によってはマンガ的なストーリーや印象的なイラストが理解を助けることもある。

とくに、哲学などはイラスト化の恩恵が大きいのではないだろうかと感じる。複雑な観念を言葉だけで語るのは名人芸だと思うが、上手にイラスト化されるとスッと頭に入ってくるし、記憶にも残りやすい。

とはいえ、厳密な定義などは言葉で書かれた方がはっきりすることもあるので、本書のようにマンガと文字のハイブリッドというのは、うまい落としどころだ。

学術的な分野では長らく「活字」が発信の主体だったが、メディアの急速な進歩にうまく乗っていくべきなのだろう。

逆にストーリー物は、マンガと小説は別物だと感じている。小説を読むのは、イラストのない文字表現だからこそ広がるイメージが楽しいというのもある。マンガも大好きで楽しさは分かっているが、違うものとして楽しんでいる。

本書を読んでいて、内容よりも「マンガ+活字」の構成が面白いと感じた。

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