シンプルに結果を出す人の 5W1H思考
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自転車を買うのは自転車が欲しいからじゃない。欲しいのは、自転車の乗り方を教え教わるという最高に楽しい親子の経験だ。ちょうど自分が6歳の時に教わったように。
最強の思考ツール 5W1H!を使いこなせ!
要約
- 最強の思考ツール 5W1H
3C、4Pや、SWOT、PESTなどなど、思考ツールとしてのフレームワークは数多いが、効果的に使われているケースは少ない。
最強の思考ウールとして、一般によく知られ、シンプルで汎用性も高い「5W1H」を紹介する。
- 課題提起:「真の目的」にさかのぼる
「Big-Why」にさかのぼって、認識している目的より上位の目的、真のニーズをつかみ取る。
What / How
「何をどうするか」という手段のレベル。例えば「食事制限」
Why
「なぜそれをするか」という目的のレベル。例えば「痩せたい」
Big-Why
「どうありたいか」というあり方のレベル。例えば「モテたい」
目的が欠落している「目的の亡霊化」、真の目的をはき違えている「手段の目的化」、単なるお題目になってしまう「目的の過度な抽象化」に気をつける。
- アイデア発想:「思考キャンパス」を広げる
5W1Hはアイデアを出すときの思考キャンパスを広げるツールとしても使える。
①もれなくだぶりなく必要項目を洗い出す。例えば会議の運営の場合、以下のように考える。
Why 目的、ゴールは?
What テーマは?
When 開催時期、頻度、期間は?
Where 会社場所は?
Who 参加メンバーは?
How 進め方や作業分担は?
How much 予算は?
② 「現状の改善」から「イノベーション」とするため、切り口を見つける。
例えば電動歯ブラシの企画であれば、
Where 洗面所で → 外出先で
Who 大人 → 子供、動物用など
水族館の例であれば、
Who 子供・家族づれ → リラックスしたい大人
When 休日の昼間中心 → 平日の朝、仕事前の朝活に
など。
When、Who、Where、Why を切り口に What を変えると面白い発想が生まれる。
- コミュニケーション:「説得力あるロジック」を作る
伝え方の骨子は Why – What – How。なぜそれが必要か、そのために何が必要か、それをどのように行うのか、の順にロジカルに伝える。
- 問題解決:「筋の良い打ち手」に絞る
問題解決にはいきなり細部に切り込み決め打ちしない。まずは「どんなプロセスでその問題に取り組むか」を決める。
3W+1H ( What – Where – Why – How)で、問題に取り組む。
例えば「フィットネスクラブで退会者が増えている」という問題であれば、いきなり「継続割引制度を設けよう」とか「マシンを新しいものにしよう」というHowに飛びついてはいけない。
What で「何が問題なのか」を定義する。会員がやめてしまうことが本当に問題なのか、入れ替わりの時期で、加入者が増えていれば良いなどの場合もある。
Whereで「どこに問題があるのか」を考える。例えば「女性の平日会員の退会が特に増えている」というように問題の所在を特定する。
その上で Why を考え「平日はパウダールームが混みすぎて使いにくい」などの理由に踏み込み、Howでその対策を行う。
感想・考察
本書では考えるための実践例が数多く出ていて、ビジネスセミナーに参加したような楽しさがあり有益なのだと思う。自分の実際の業務に応用してみようという気になった。
だがやっぱり「フレームワークは使い方次第だなあ」と感じる。
5W1H は自由度が高い分、使い道はアイデア出しから、コミュニケーション、問題解決まで幅広い。うまく使いこなせれば、まさに「最強」なのだと思う。
一方で、自由度が高いということは「考え決めるポイントを減らす」というフレームワークとしての思考補助力が低いとも言える。自由度の低いフレームワークで限定された方が、考えるポイントが集中でき、かえって新しいアイデアを出すのに適している場合もある。
自分や環境にあったフレームワークを選び、馴染んで使いこなせるようになれば、大きな武器になるのは間違いない。