ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力
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Don’t think! Feeeeel !!!
感情価値を大切にすることが可能性だ!!
要約
アカツキ社長の 塩田元規 氏の経営哲学と、成功に至るビジネスノンフィクションストーリー。
著者は「時代はもう変わっている!」と言う。
合理・論理など目に見えるものから、感情・ハートが中心の時代になり、ビジネスでも、機能的価値から感情的価値に重点がシフトしている。
機能的価値は限定的だが、感情価値は無限に拡大させることができる。働く側にとっても感情価値の高さが重要になってきている。
アカツキは「感情を中心に置く」ことで成長できたのだと自己分析している。
一方で「ハートに従って生きるのは簡単じゃない」とも述べる。
多様性が増した時代に正解を求めることは難しい。正解は一人ひとり違うから「正解は外に探しに行くのではなく、自分の内側にある正解に向き合う必要がある」という。そのためには「感情を丁寧に扱うこと」が必要で、それが人生を輝かせる鍵だと考える。
また、SNSなどで情報の透明性が上がってきている。
広告で上手いことを言っても実態が伴わなければあっという間に見透かされる。「何をするか(Doing)」、と「どうあるべきか(Being)」に矛盾のないことが大事だ。
アカツキは順風満帆に成長してきたように見えるかもしれないが、内部では何度もの躓きと苦悩があった。
著者自身が「人に期待に応えなければならない」「わがままは許されない」というメンタルモデルを持ち、自己犠牲で会社の成長を果たそうとしたが、やがて体力的な限界を迎え、社内の人間関係も崩壊していく。
だが「限界を迎えることは魂が進化しようとしている」だったと著者は言う。耐え切れなくなった心は「ネガティブなこと」も受容することを認め、支えてくれる人のおかげでコントロールを取り戻していく。
ネガティブな話には引っ張られず、それでも相手の言うことを理解する。「理解と同意を分ける」ことが一つの鍵となった。
魂の進化は「無駄」が好きだ。
無理にでも時間を作って仕事を離れ、ビジネスパートナーと本音を分かち合った過時間が大きな進歩に繋がった。
最後には、「自分という存在が、切り離されたものじゃなく、つながりの、愛の中で存在している奇跡だということ。魂はもうすでにそれを知っている」と、人々との繋がりに感謝し大事にすることを述べ、まとめている。
感想・考察
「モノ」は十分以上に溢れている現代、何かが欲しいと思うことはあまりなくなってきている。
生活必需品以外は「必要だから買うのではなく、自己主張の手段として買っている」のだろう。「モノ」以外で、新しい経験には割と躊躇なくお金を使うが、これも「好奇心半分、他人へのアピール半分」というのが本当の所だと思う。
そうなってくると、一人ひとり違う感性に訴える分、誰もを満足させる「最大公約数」を見付けることが難しくなる。一方で情報の流通が劇的に速く容易になっているので、ニッチな感性でも強力に発信できれば、ある程度の数の同意を集めることができるようにもなっている。
Doing(していること) と Being(あり方) にギャップがあれば、どうせ見抜かれてしまうのだから、感情の入った Being が生み出す Doing を、臆することなく発信し、巻き込んでいくことが大事なのかもしれない。
自分の本当に好きなモノだとか、本当にやりたいことを公言するのはすごく恥ずかしい。ちょっと難しく取り繕ってみたり、斜に構えたりして自分を守ろうとする。「本音をいうと底を見透かされ、その程度の人間なのかと愛想を尽かされるのではないかという恐れが、自分のマインドセットの中にあるのではないか」と本書を読んで、気づかされた。
本当は、怖がることは多分ないんだろうね。