脳パフォーマンスがあがるマインドフルネス瞑想法
分かりやすい、とっつきやすい。
マインドフルネス入門書。
要約
マインドフルネスは「今」に注意を向けて「あるがまま」を観察する「気づき」のトレーニング。「気づく力」を高めることで、以下のようなメリットがある。
・リラックスしながら「集中」と「集中が切れた状態に気づく」ことを繰り返すことで、集中力が高まる。
・考えすぎることが減りストレスが削減される。
・自律神経が整い、よく眠れるようになる。
・思考が静まり感受性が高まることで、創造的アイデアがわく。
・瞑想のための姿勢を維持することで体幹が閉まる。呼吸も深まり体のバランスが良くなる。
・あるがままの自分を愛せるようになる。
・幸福感が高まる。
・本当の価値観や願望に気づく。
脳は意識的に活動していない時でもアイドリング状態で常に動いている。「今」に集中することで未来を思い煩うことが減り、過去を思い出し悔やむことも減る。「今ここ」に集中し、省エネ運転することができる。
危機回避のため脳は元々ネガティブになる傾向があるが、マインドフルネスで身体的な感覚や心を一歩引いたところから観察することで、リスクに過剰反応することを避けることができる。
一般的な瞑想(サマタ瞑想)では呼吸をコントロールし集中した状態を作ることで「変性意識状態」となる。
マインドフルネスは「変性意識状態」ではなく「気づき」を目的とする。意識を「今ここ」に向けて、「今ここ」から離れたらそのことに気づく。脳が自動運転で動いていることに気づいたら、無意識の意識化に切り替える。
瞬間瞬間の体験に対して、一切の価値判断をしない。
「今ここ」+「ジャッジしない」=「気づき」
突き詰めるとマインドフルネスは「脱同一化」
感情や思考と一体化せず、感情・思考から一歩離れ観客となる。刺激に対して自動的に反応するのではなく、刺激と反応の間に「反応を選択する」スペースを挿入する。
基本は、以下の繰り返し。
①呼吸や五感に注意を向ける
②雑念がわく
③注意がそれたことに気づく
④雑念を手放し、注意の対象に意識を戻す
目安10分間での手順
・軽く背筋を伸ばして楽な姿勢で座る
・手のひら上にして、楽なところに置く
・目は閉じるか薄めで一点を見る
・体の感覚を感じ取る
・一つ一つの呼吸に意識を向ける
・自分の内外で起こっていることに気づく
・自然にわいてくる思いを引いたところから眺める
間隔に意識を向けると思考から離れる。
何か思いが浮かんだら、小川で葉っぱに乗せて流していくイメージ。ネガティブな思いが浮かんでも否定せず、思いにラベリングする。例えば痒みを感じたら、即座に反応するのではなく「今、体は痒みを感じている」と感じたことにラベルを付け客観化する。
マインドフルネスの様々な実践法。
・数息観(すそくかん):呼吸を数える瞑想。
・歩く瞑想:歩きながら身体感覚を意識する瞑想。
・聞く瞑想:音に意識を向ける瞑想。
・食べる瞑想:食品の匂い、感触、などを意識する瞑想。
・一点集中瞑想:何か一点を見つめ集注する瞑想。
・ボディスキャン瞑想:体の隅々に意識を向ける瞑想。
・慈悲の瞑想:大切な人の幸せを祈る瞑想。
・死を意識し、本当にやりたいことをイメージする
・自分の価値観を思いつくままに書き出す
・マインドフルネスを通じ日々の感情から気付く
・過去幸せを感じた体験から価値観に気づく
・尊敬する人を挙げることで価値観に気づく
・将来のありたい姿を想像して価値観に気づく
価値観は変わる。自分と違う他人の価値観を認めることも大事。
感想・考察
「マインドフルネス」 というのは最近よく聞くが、ちょっと敷居が高いと感じていた。
本書の手引きは簡略化されていて、とっつきやすい。入門書として良いと思う。
「体験談」とかをみると「自己啓発セミナー」的なノリがあって、ちょっと引いたけど。。