BookLetでは、ビジネス書や小説の1000文字程度のオリジナルレビューを掲載しています。

郵便配達人 花木瞳子が望み見る

郵便配達人 花木瞳子が望み見る

こちらで購入可能

「人は悪になり切ろうとしてもなり切れない。勝手にそこに善を見出すバカがいるから」

あらすじ 

亀山、鶴田、海老沢の3人は団地内の茶飲み友達で、孫たちから来る手紙を楽しみにし、その内容で「自分は大切にされている」というマウンティング合戦を密かに繰り広げていた。

亀田たちが住む団地周辺では、何も使わずに火を出す「焚き火婆」の都市伝説が広がっていた。付近のポストで郵便物が燃える事故があり、郵便配達人の花木瞳子は郵便の有無を確かめるために団地にいき、亀田たちの話を聞く。

その頃、郵便局で瞳子は新人 周防律 の指導を任される。周防は身元を明かさず手紙を送ってくる祖母が住んでいるため、この地域の郵便局を志望していた。

周防は瞳子の指導を受けるうち、彼女に惹かれていく。職場で女性扱いされることのなかった瞳子は、周防からのアプローチを受けて戸惑う。

瞳子は前作までで親しくなった水野宗一に、「周防から告白されどうしたらよいか分からない」と相談したが、水野は「付き合えばいいんじゃないか」と言って、瞳子の元から離れてしまう。

周防は、団地の老婦人3人組の一人から祖母であることを打ち明けられ、同時にグループ内に放火を繰り返している「焚き火婆」がいることを聞かされる。

瞳子と周防は「焚き火婆」の正体を突き止めるため、団地に乗り込んでいく。

感想・考察 

郵便配達人シリーズ4作目。前作までのグロいサイコパス感はなく、恋愛ものっぽい雰囲気になっている。ちょっと甘ったる過ぎるかもしれない。。

郵便をキーにしたミステリとしての面白さは相変わらずだ。

「書かれていること」や「聞かされた話」だけで相手を理解したと思うのは間違いだということ。言葉を大事にしながら、それでも「言葉より行動が真実だ」というメッセージも前作から変わらない。

中々面白いのでシリーズが続いてくれることを望みます。

こちらで購入可能