生命の略奪者―天久鷹央の事件カルテ―
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脳死を、実感として「死」と受け止められるか。
死生観や文化的背景はさまざまで、臓器移植の受け取り方はそれぞれ違うのでしょう。
それでも、臓器を提供しようという意思は崇高だし、移植に一縷の望みをつなぐ患者は助けたい。
そんな思いを真摯に果たすお医者さんのお話です。
私自身は自分の死後に臓器を提供することに抵抗はないし、役立つものなら役立ててほしいと思っています。
でも生命の尊厳が「経済的なやり取りに還元される」ことには嫌悪感を感じます。
臓器移植のガイドラインは注意深く設計されていると信じていますが、代理母のビジネス化などを見ていると不安もあります。
臓器クローン技術が待ち遠しい。
あらすじ
運搬中の臓器が連続して強奪される事件が起きた。
鷹央たちの勤務する病院でも脳死患者から摘出した腎臓が奪われる事件が起きる。
当初鷹央は、移植のための臓器移植という意図が明確で「ワイダニットのないハウダニット」に興味を持たなかった。
だが警察に協力し、どうやって臓器を持ち出したのかというハウダニットを解くうちに、犯人の目的が臓器移植自体にはないことに気づき、謎解きに乗り出した。