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なかなか自分で決められない人のための「決める」技術

なかなか自分で決められない人のための「決める」技術

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要約

「決める」とはどういうことか。

「決められない人」と「決断できる人」の違いを語りながら
・決めるための心構え
・決めるための技術
・技術を習慣に落とし込む実践
を解説していく。

  • 決められない理由

人生は「決断の量と質」の結果。「決める」決意がなければ、自分の人生を生きることはできない。

・悪いことを考えると決断が怖くなる。長期的視点では何が「良いこと」になるか現時点ではわからず、今時点で考えても仕方ないネガティブなことは考えない。今できることに集中する

「決めることは捨てること」あれこもれも、では結局どれも中途半端になってしまう。

・決めるためには「世の中のルール」を知ることが必要。すべてを知るのは不可能だが「背景にある考え方」を理解し、本質から応用する。

・目的が曖昧だと決断できない。明確な目的が判断基準を明確にする

  • 「決める」とはどういうことか

・「今この瞬間」の決断が、未来の自分を作っていく。

「決める」=「思う」+「行動」「決めたと思う」だけでは人生は変わらない。

・決断の質を意識する以上に決断の速度が重要。速く決断すれば、結果が出なくても早く巻き返すことができる。

  • 速く正しく決めるコツ

「幸せ」を明確にすることで決断基準が定まる。自分にとって何が「幸せ」なのかが曖昧だと、目的が定まらず決断の基準がブレる。

・「幸せ」は自分の喜びで、「成功」はその一般的評価。幸せが先でその延長線上に成功がある

・「衣、食、住、遊び、学び、健康、人間関係、家庭、仕事」それぞれの側面で「自分にとって大切なことは何か」を考えておこう。

紙に書き出すなどの「アウトプット」が重要。アウトプットは自分への信頼感に繋がる。

・決めるために必要な「マーケティングの11項目」を意識する。
 ①誰が
 ②なぜ
 ③何を
 ④誰に
 ⑤誰のために
 ⑥誰と
 ⑦いつからいつまで
 ⑧どのように
 ⑨いくらで
 ⑩いくつ
 ⑪どこで
を全て埋めれば、具体的な行動を起こすことができる。

すべてを今決める必要はない。「今は決めない」と決めるのも決断。

とりあえずでも決めて行動し、あとから微調整する方がいい。すべてが決まるのを待っていては行動できない。自分で決められるポイントに絞ってとりあえず決め、行動に移す。

・行動の結果から微調整する。
その際に「マネジメントの3項目」である、時間・品質・数字のバランスを意識する。

・自分の「決め方の傾向」を把握しておくと良い。
「感情・理性・勝敗」のどの基準で決めているのかに自覚的になると、判断の質を上げることができる。

今、自分にできることにフォーカスして行動すべき。先の不確定要素を気にしすぎると、決断できない。

経験のある分野では直観による決断が有効。経験値の低い分野では直観では決めない。

・決められないときは、経験者に相談するのも有益。今の時代はネットでも相談相手は得られる。

  • 「決断力」を上げる習慣

まず「自分で決められること」と「他人の協力、許可が必要なこと」に分ける。自分でできる部分は即座に行動に移し、他人の協力が必要な部分は「誰のどのような行動が必要なのか」を明確にして、依頼していく。

・決めっぱなしにせず、決断の結果を検証していく。検証を繰り返すことで決断の精度が上がっていく

・一度決めたことを習慣化するのは良いが、時に見直して改善ポイントを探していくことも重要。

・どんな小さな決断も決めることのトレーニングになる。レストランのメニュー選択でも理由とセットで即断即決するようにする。

他人の価値観にも触れることで、自分の価値観を磨き、固定化を避けることができる。

・失敗を恐れると動けない。失敗を織り込みつつ「ここまで負けたら退く」という「撤退基準」を持つことが重要。

目の前の小さな仕事に全力で取り組むことが重要。大きな目標を持つのは良いが、具体的な行動に落とし込めなければ意味がない。

「したいこと」「できること」「やるべきこと」を明確にする。この3つを満たすものを選択していくようにする。

  • 決めたことを継続するコツ

①気づく- ②決める- ③やる- ④継続する のステップすべてが重要。

7つのチェックポイントを意識する。
 ①明確な理想
 ②正確な現状把握
 ③適切な期限
 ④定期的な確認
 ⑤表面的な目的や目標
 ⑥本当の目的や目標
 ⑦強い動機

・決めたことを周囲に公表し、自分をやらざるを得ない状況に追い込む

始めるときはできるだけハードルを下げる。スクワットなら1日1回からでもいい。高すぎる目標は定着しない。

・すでに習慣化していることとセットにするといい。例えば習慣化している「シャワーを浴びる」行為に、「スクワットする」ことをくっつけるなど。

成果のフィードバックは継続のモチベーションとなる。数値で結果を示せると良い。

感想

本書で特に感銘を受けたのは、
「決める」=「思う」+「行動」 という認識だいう部分。
頭の中で漠然と思っているだけでは、何も変わらない。どういう行動を起こすかが大事だ。

それがあってこそ、
「決める基準」や「決める仕組み」が意味を持つ。
そしてそれを習慣レベルまで落とし込み、継続することが重要だ。

マーケティングの11項目など「決め方」の部分が実践的で役に立つ内容だが、「決めることの心構え」の部分や、具体的行動に落とし込むアドバイスも有益。
決めることの、心構え、技術から、習慣に落とし込むまで、「心技体」におよぶ指南書だ。

オススメの一冊。


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