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雨の降る日は学校に行かない

雨の降る日は学校に行かない

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あらすじ

学校での「生き辛さ」と闘う、女子中学生たちの短編集。

  • ねぇ、卵の殻が付いている

中学二年生のナツは登校してもクラスに行けず、ずっと保健室で過ごし、もう一人の「保健室登校」の仲間であるサエと仲良くなる。
だがサエが教室に戻ろうとすることを知り「裏切り者」と罵ってしまう。

保健室の長谷部先生はナツに「どんな生き物も生きていれば大きくなる。部屋にも家にも学校にも、閉じこもってられなくなる」といった。

  • 好きな人のいない教室

中学二年生の森川は恋愛話に夢中になるクラスの女子たちと馴染めずにいた。
いつのまにか地味でオタクっぽい岸田との仲を囃し立てられ、森川は不快に感じる。だが彼が漫画を描くことに本気で取り組んでいることを知って、少しずつ彼に関心を持ち始めた。

岸田は森川に「自分に嘘をついてまで、みんなと合わせたって、きっとなんの解決にもならない」といった。

  • 死にたいノート

藤崎はノートに、実際にはないいじめや家庭問題で苦しみ自殺することを仄めかす「死にたい理由」を書き込んでいた。本気で死ぬつもりではなく鬱憤を発散させるだけのものだ。

あるとき藤崎はそのノートをなくしてしまう。

同級生の河田さんがノートを拾ったが、無記名だったため誰のものか分からない。ただその内容をみて、河田さんは持ち主が苦しんでいることを心配する。自分の書いたノートだと言い出せない藤崎は河田たちと一緒に、ノートの持ち主を探し出すことになる。

藤崎は河田に探すのを止めようと言うが、河田は書いた人が苦しんでいることは間違いないと感じていた。

「だって、死にたいって、生きたいってことだよ。しあわせになりたいってことだよ」という。

  • プリーツ・カースト

イケてる子は制服のスカートが短い、ひざ下まであるようなスカートをはいているのは鈍くさいと、中学二年生のエリは感じていた。

小学校の頃の友人だった真由は「イケてない」側で、エリとは疎遠になっていき、エリも真由をからかうグループに同調していた。

だがエリはやがて、真由を笑う「レベルの高い女子」たちに違和感を抱き始める。

  • 放課後のピント合わせ

中学二年生のしおりは、際どい写真をネットにアップし賞賛を得ることに快感を覚えていた。ある日誰もいない教室で撮影しているところを先生に見つかるが、先生は「写真に興味がある」のだと勘違いする。

先生から一眼レフのカメラを借りたしおりは写真の面白さを知り、写真を通じて距離を感じていたクラスメートたちと打ち解けることができるようになった。

  • 雨の降る日は学校に行かない

さっちゃんは些細な理由でクラスの中心グループから外され、いじめを受けていた。担任の先生も「自分から周囲に溶け込む努力をしなければだめだ」と彼女を叱責する。
やがていじめがエスカレートし、さっちゃん は学校に行くことができなくなる。

さっちゃんの家に保健室の先生が訪れ「勉強は未来の可能性のためにするもの。でも学校が全てじゃない。学ぶ方法も人と繋がる方法も学校の外にたくさんある。どんな生き方を選ぶのも自由だよ」といった。

感想

中学生くらいの年頃では、学校生活が上手くいかないことは本当に辛い。

大人になれば「別の世界」もあることが実感できる。でも中学生くらいだと「家と学校」が世界のすべてになりがちだ。
その分、世界の維持に必死になるし、生き残るため残酷にもなる。

それでも相沢さんの作品には「人への信頼」が根本にあるが感じられる。読んでいて救われる気分になる。

漫画や写真など本当に好きなことを見付け、周囲におもねるよりも大切なものを見つけた人がいるかもしれない。

「苦手な人」だと感じていた人にも、気が付いていない別の一面があって、本当は一緒にやっていくことができるかもしれない。

学校は勉強や人間関係を学ぶ場だけれど、それは学校以外でも学ぶことができるのかもしれない。

最終話のいじめは苛烈で、そこから逃げざるを得ない さっちゃん の悔しさが伝わるが、最後に明かされるループで彼女の闘いを知り、胸が熱くなる。

ミステリ要素は少な目で、制服フェチも抑え気味だけれど、胸が暖かくなる作品だった。

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