化物語(中)

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あらすじ
「化物語」電子書籍版の第2巻。
戦場ヶ原ひたぎ、阿良々木暦たちが「怪異」と立ち向かう2つの物語。
- するがモンキー
阿良々木暦は、学内で有名なバスケ部キャプテンの後輩 神原駿河に ストーキングされていた。毎日のように不自然に近寄ってきて、歯の浮くような誉め言葉を並びたてながら動向を探る。
阿良々木は、戦場ヶ原の家で試験勉強をしながら神原の話を聞いた。
神原は中学時代にも戦場ヶ原の後輩で、当時は陸上部に所属していた戦場ヶ原と親交があったのだという。また彼女は戦場ヶ原が「体重を失った」呪いのことも知っていた。
ある夜、戦場ヶ原からの預かり物を部屋に忘れてきた阿良々木は、彼女の部屋に戻ろうとすると、上下の雨合羽を被り、長靴とゴム手袋で完全装備した何者かに襲われた。
吸血鬼の能力で運動神経と回復能力が増強されていた阿良々木だが、何者かは圧倒的な戦力をみせる。破れたゴム手袋からは「獣の腕」が見えた。
ギリギリまで追い詰められた阿良々木だったが、戦場ヶ原が近づいてくると、その何者かはどこかに去ってしまった。
翌日、阿良々木は神原駿河の家に行き「猿の手」の呪いの話を聞く。
神原が母親から受け継いだ「猿の手」は3つの願いを叶えてくれるのだという。願いはかなう、だが本人が望んでいない形で。
神原を捉えた「猿の手」の呪いに、阿良々木は立ち向かう。
- なでこスネイク
阿良々木は、怪異の専門家である忍野メメに頼まれ、神原と一緒に山中の神社にお札を貼りに来た。
その途中、戦場ヶ原は妹の友達 千石撫子とすれ違う。撫子がいなくなった神社には「刃物で五等分された、一匹の蛇の死体」があった。
忍野は、撫子に「蛇切縄」が憑いたいるのだろうという。撫子の身体には、両足から首の下まで蛇に絡まれたような鱗の跡がついていた。
阿良々木と神原は、撫子に憑いた呪いを解く。
感想
「猿の手」の呪いの話が面白い。
猿の手は願いをかなえてくれるけれど、本人の望まない方法をとる。例えば「徒競走で一番になりたい」という願いなら、自分が速く走れるようになるのではなく、競争相手を潰すことで一番になるという目的だけを達成させる。
願ってしまったら、猿の手より先に「自分自身の力で自分の望む結末」を達成するしかない。
猿の手は「運命を変えるならばそれは自分の手でするべきだと」ということを教えようとしている。
コミカルな会話が楽しい作品だが、ところどころにブッ込まれるメッセージが、意外と重かったりする。