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月の満ち欠け

月の満ち欠け

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君にちかふ阿蘇の煙の絶ゆるとも萬葉集に歌ほろぶとも

佐藤正午さんのお話を読むと、何か仕掛けがあるのでは、と勘繰りたくなってしまいます。
『鳩の撃退法』とかトリッキーでトラウマ。。

でもまあ本作は、素直に「瑠璃の輪廻転生の物語」と読むべきなのでしょう。

冒頭のどら焼きの話とか、伝聞がメインとなる構成だとか、叙述トリックの匂いがぷんぷんするけれど、明らかな引っ掛けも見当たりません。

素直に読むと瑠璃たちの死因がすべて「事故死」というのは怖すぎるのですが。。

叙述トリックなのか、超常現象が起きているのか、いろいろ考えさせて最後は煙に巻かれる。この割り切れない感じが佐藤正午作品の魅力ですね。

あらすじ

正木瑠璃と三角哲彦の純愛物語、と読めばいいのでしょうか。

正木瑠璃
正木瑠璃は身勝手な夫 正木竜之介との関係に疲れていた。
彼女は高田馬場のレンタルビデオ店でバイトする三角哲彦と出会い恋に落ちる。

「私は月のように死んで生まれ変わる」といった彼女は、偶然の「事故」で死んでしまった。


小山内瑠璃
正木瑠璃の死後、小山内瑠璃は 小山内 堅と梢 の娘として生まれる。
彼女はは7歳になった頃から急に大人びた態度を見せるようになった。

小学生の瑠璃は三角を探し 一人で高田馬場のレンタルビデオ店を訪れ、警察に保護される。

その後瑠璃は「高校卒業まで一人で出掛けない」という約束を律儀に守っていた。
だが、高校卒業直後に母の運転する車で三角の元に向かったい、その途中に事故で死んでしまう。


小沼希美
小山内瑠璃の死後に小沼希美は生まれた。
彼女の父親は 正木瑠璃の前夫 正木竜之介を雇っていて、希美は竜之介に懐いていた。

彼女は7歳になり突然竜之介への態度を変え、彼を利用し始めた。

希美は竜之介の車で三角に会いに行こうとするが、途中で事故死してしまう。
竜之介は女児誘拐犯として獄中死した。


緑坂るり
小沼希美が死んだ頃 緑坂るりは生まれた。

るりの母親 緑坂ゆいは小山内梢の親友だった。
緑坂るりはゆいの伝で小山内堅を呼び出し、彼の娘 小山内瑠璃が生前に描いた肖像画を持ってきてもらう。

肖像画に書かれた男性はは明らかに若い頃の三角哲彦だった。


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