夢をかなえるゾウ
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要約
華やかなパーティーに連れて行かれた「僕」は「何もない今の自分を変えたい」と願う。
関西弁を喋るゾウの神様「ガネーシャ」が現れ、胡散臭さ満載の教えを説いていく。
ガネーシャの教え
・靴をみがく
仕事道具にも感謝を忘れない。
・コンビニで募金する
お金は人を喜ばせたことの対価。本気で世の中を良くしたいと考える人間は、偽善っぽいと思うこともない。
・食事を腹八分におさえる
「自分をコントロールできている」という感覚が大切。
・人が欲しがっているものを先取りする
ビジネスが得意な人間は、人の欲を満たすのが得意。相手が求めているものに、相手より早く気付く。
・会った人を笑わせる
「いい空気」が、やる気や創造性を刺激する。笑いは大切。
・トイレ掃除をする
人が嫌がることは人に喜ばれること。そこに価値がある。
・まっすぐ帰宅する
自由に使える時間をどう使うか、が一番大切。
・その日頑張れた自分を褒める
自分のフィードバックを与えて成長を実感し、自分を動機付ける。
・一日何かをやめてみる
時間や気力などの「器」自体は急に大きくはならない。今「器」にある何かを外してみて、何が入り込んでくるかを注意深く観察してみる。
・決めたことを続ける環境を作る
「変わろう」という意識だけで継続することはできない。実際に手を動かしたり、仕組みを整えたり「具体的な何か」を変える必要がある。
・毎朝、鏡を見て身なりを整える
人からどう見られるかも大切。内面を変えるのは難しいが、外見は変えられる。
・自分が一番得意なことを人に聞く
自分の仕事の価値を判断するのは自分以外の誰か。自分の強みを客観的に把握するために聞いてみる。
・自分の苦手なことを人に聞く
自分の短所も他人の方が把握している。ただし、短所を改善するのではなく、短所の裏にある強みを生かす。
・夢を楽しく想像する
夢は「持たなければならないもの」ではない。誰に言われるでもなく想像してワクワクしてしまうのが夢。
・運が良いと口に出して言う
嘘でもいいから「運が良い」と言うと、脳が良いことを探して辻褄を合わせる。
・ただでもらう
人に頼み事をしたり、物をもらったりするには、高度なコミュニケーション能力が求められる。小さなものでも「人からもらう」ことが良いトレーニングになる。
・明日の準備をする
常に結果を出すためには、綿密な準備が必要
・一番大事な人を喜ばせる
一番大切な人は身近にいる分ぞんざいになりがち。意識して、一番大切な人を喜ばせる。
・誰かの良いところを見つけて褒める
人は「自己肯定感」を高めてくれる他人を求める。人に応援してもらいたいなら、その人たちの「自己肯定感」を高めていくことが求めらる。良いところを見つけ、息を吐くように褒める。
・人の長所を盗む
褒めるために良いところを探し、その良いところパクっていく。人を喜ばせることに照準を合わせれば、パクることに恥ずかしさを感じない。
・求人情報誌を見る
現在の就職先から離れるリスクがあるから、他の仕事を探そうとはしない人が多い。だが、今の仕事が自分にとって適職なのかはわからない。人生の多くを注ぎ込む仕事が、自分に合わないものだったらもったいない。
今の仕事を相対化できるくらいの経験は積むべき。
・お参りに行く
少しでも可能性があることなら、全て実行してみるくらいの熱量が成功につながる。
・人気店を観察する
人気店が人を集めるのは商品だけが理由ではない。どうやってお客さんを喜ばせようとしているのか、を読み取る。
・プレゼントして驚かせる
「期待以上」が喜びを生む。相手の期待値を超える喜びを提供することに、楽しさを感じられればいい。
・やらずに後悔していることを今から始める
世間体や収入面の不安から「やりたいのにできなかったこと」があるなら、今からでも挑戦すべき。
・サービスとして夢を語る
人が語る夢を胡散臭く感じるのは「内側を向いている」夢だから。世の中のためになる夢で、聞き手も望んでいることならば、楽しく聞ける。多くの人が実現を望む夢ならば、多くの応援がもらえるのだから実現は簡単。
・人の成功をサポートする
自分の夢をかなえることが人の夢もかなえるのが理想。そのためには人の夢を知らなくてはいけない。人の夢を知りその成功を助けるのが、自分の夢を叶えるための近道でもある。
・応募する
〇〇賞や、〇〇資格など、探せば色々な「募集」がある。やりたいことに関係することに「応募」することで、具体的な動きを起こすことができる。
そこで才能を認められれば、人生はあっという間に変わる。
・毎日、感謝する。
自分にとって「足りていないもの」にフォーカスすると、周囲の人へ「喜び」を与えることができ図、結果的に欲しいものを手にすることができない。
周囲の人への「感謝」を起点にし「自分は幸せで満ち足りている」という思いを持つことで、「喜び」を提供することができる。結果的に自分の求めるものが手に入る。
感想
数年ぶりの再読だが、読むたびに発見がある。
前回スルーしていたけれど、今回気になったのは「ただでもらう」だった。
自分の周りで「他人の懐に入るのが上手い人」がいる。彼は小さいものを「もらう」ことにこだわりを見せる。
小さなものでも「欲しがって」、それをもらうと「派手に喜ぶ」。何かをあげた方は「相手を喜ばせた」という感覚があり、逆転して相手への好意に繋がる。
こういう機微が透けて見えて「軽薄で胡散臭い」と感じることがあっても、その人への「嫌悪感」には繋がらない。「軽薄で胡散臭いけどいい奴」で応援したくなる。
一方自分は「何でも自分でやりたい」質で、人に頼むのも頼まれるのも、本音を言えば大嫌いだ。組織よりも個人で働く方が適しているタイプなのだろうし、それが快適なら、それでもいいかなとは思う。
ただ、やっぱり自分一人でできることには限界がある。
やりたいことの規模が広がれば、他人の力を借りることが残念ながら必要になっていく。
「一人でできることを限界まで広げていく」というのが目的だとしても、その達成に「他人の力」が必要だというアイロニーだ。
なのので、まずは「ただでもらう」トレーニングを始めてみよう。