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夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え

夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え

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要約

夢をかなえるゾウ1』、『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』に続くシリーズ第3弾。コメディ風自己啓発本。

「夢をかなえるゾウ」「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」に続くシリーズ第3弾。今度は「黒いガネーシャ」が私を導く。

人生の一発逆転を願う「私」は、評判の占い師に乗せられ「黒いガネーシャ像」を買った。
友人の結婚式で会った男性からプロポーズされる妄想をしていた私の目の前に現れたのは、「黒いガネーシャ」だった。

「出された課題を全て達成できなければ、将来の夢は根こそぎ奪われる」という契約を結ばされた私は、ガネーシャの教えに半信半疑ながら必死で食いついていく。

以下、本巻でのガネーシャの教えの抜粋。今回はかなり「スパイシー」

  • 必要ないものは捨てる
    ゲームやテレビ番組は本当に欲しいものなのか?持てるものは限られている。
  • 苦手な分野のプラス面を見つけ克服する
    苦手なものの中にもプラス面を見出せれば、眠っている可能性が引き出せるかもしれない。
  • 目標を誰かに宣言する
    「できるできない」を判断する前に、やりたいことを口に出してしまう。自分を追い詰めることで踏ん張りがきくようになる。
  • うまくいっている人のやり方を調べる
    いきなり自己流ではうまくいかない。誰もが似たようなものを欲し、火多様な躓きを経験している。うまくいった実例を調べることから始めるべき。
  • 上手くいっている人のやり方を徹底的に真似る
    上手くいった実例を見ても、自分のやり方を変えて実行するのには抵抗を感じるもの。一度は自分を捨てて徹底的に真似る必要がある。
  • 空いた時間のすべてを使う
    やると決めたら中途半端ではいけない。開いている時間を全て投入するくらいの「極端さ」が必要。
  • 合わない人をほめる
    相性が悪い合わない人を褒めてみる。
  • 気まずいお願いごとを口に出す
    夢をかなえようとすれば誰かと衝突することもある。望みを上手く相手に伝えることも大事。
  • 今まで避けていたことをやってみる
    「避けてきた」と意識しているものは頭の中で「やった方がいい」と思っているもの。挑戦すれば教養の幅が広がる。
  • 「顧客」として感動できることを仕事の中に探す
    自分が「感動したこと」を伝えたいと思うとき、自然な形で仕事ができる。
  • 一度利益を忘れ、顧客を喜ばせることを考える
    儲けを先にすると「お客を喜ばせること」から離れてしまう。まず最初は喜ばせることから考えてみる。
  • 自分の考えを疑ってみる
    自分の考えに固執して他の可能性から目を背けない。
  • 勇気が必要なことを一つ実行する
    小さな勇気があればいろいろな経験ができる。何が正しいかを理屈でなく「身をもって」知ることができる。
  • 優れた人から直接教えてもらう
    困ったら人に相談してもいい。
  • 一緒に働く人に感謝を伝える
    人に楽しく働いてもらうには、感謝の気持ちを持ち、それを言葉にしていくことが必要。
  • 自分で自由にできる仕事を作る
    工夫していくのは楽しい。仕事を楽しめる形にしていく。
  • 余裕のないときにユーモアを言う
    心に余裕がないときこそ、ちょとしたユーモアが心を軽くする。
  • 苦しみを乗り越えて得ることができるものを紙に書き出す
    苦しいとき、それを乗り越えれば手に入るものをイメージしてみる。紙に書き出して目の前に置いておくのが有効。
  • 欲しいものが手に入る「ストーリー」を考える
    努力をする時「我慢」から入るのではなく、もっと楽しいことをストーリーにして想像してみることから始める。
  • 手に入れたいものを「目に見える形」にしておく
    望むものを手に入れた自分を想像する。紙に書いて形にしておく。
  • 自分流にアレンジする
    まずは成功した人のやり方を真似ることから始めるべきだが、その先に自分のアイデアを試してみたくなる段階が来る。その時に初めて「自分だけの価値」を生み出すことができる。

感想

ガネーシャたちの掛け合いを楽しむコメディとして読んでも面白いし、「恋愛」と「起業・副業」を語る自己啓発本として読んでもためになる。

シリーズ第3弾は「ブラック」というだけあって、ハードで痛みの伴う課題が多いスパイシーな教えだ。「夢を叶えたいのなら、それ相応の痛みが必要」だとガネーシャはいう。

どうしても人は逃げてしまう。
「今ある持ち物を捨てるのは怖い」し、「今までのやり方を変えるのは不安」だし、「人との衝突を避けたい」のはどうしようもない。
本作の主人公も、自分で決める重さを背負いきれず「占い」に逃げていた。
「逃げたい気持ちを正当化する癖がついてしまうと、その人は絶対に成功できへんのだ。

逃げたい気持ちを乗り越えて踏み出さなければならない。
「相手の喜び」や「自分の将来の楽しみ」を意識して「理想の自分」に近づいていく。

「本能に従うて生きてたら、努力できへんようになるわな。そもそも努力ちゅうのは面倒なことやからという。
将来のために今を犠牲にするのではなく「もっと楽しいことを想像」して、今の自分をコントロールしようというのだ。
また「人間は、一度でも自分の限界を超えて頑張れば成長する。成長すると、頑張るのが楽しくなるといい、成長経験自体がさらなる成長のドライバになるという。


主人公が痛みを乗り越え成長する姿はやっぱりカッコいい。コメディなのに、ラストでは泣かされそうになりました。

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