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夢をかなえるゾウ0 ガネーシャと夢を食べるバク

夢をかなえるゾウ0  ガネーシャと夢を食べるバク

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夢がない、やて!?
いいじゃん、別に。

夢をかなえるゾウの5作目はナンバリング0、夢をかなえる前に「夢を見つける」ところから始まる話です。

実際、夢を見つけられない人って多いんじゃないでしょうか。

私も日常的なレベルでやりたいこと、欲しいものはあるけれど、人生をかけて叶えたい「ホンモノの夢があるか」と問われたら、自信を持って答えられません。。

「ホンモノの夢」は、それを向かうすべての行為に充実感を与えるのだと、ガネーシャはいいます。確かにそうでしょう。大きな夢に向かって生きる人生は充実したものなのだと思います。

私自身は「なるべく小さな幸せと、なるべく小さな不幸せ、なるべくたくさん集めたい」タイプなので、夢を小さく切り取って、日常の小さな起伏を味わい尽くす方に幸せを感じています。

でも、人生を通して大きな夢を追いかける素晴らしさは理解できるし、「夢の見つけ方」というのは、良い切り口だと思います。

今回、ガネーシャに選ばれたのは「夢を見つけられない男」でした。

夢がないのは「何らかの抑制を受けて感情が鈍っている」という観点なのでしょう。今作でのガネーシャの課題は、人の感覚に響くフィジカルなものが目立ちました。

例えば
・日の出を見て朝日を浴びる、とか
・自分の好きな匂いを探す、とか
・自然の中でゆっくり過ごす、とか、
感覚的なところから入っていきます。

また、
・インターネットを一日断つ、とか
・実物を見る
なども、ヴァーチャルでなく現実に触れて肉体感覚を味わう、ということなのだと思います。

まずは「いきいきとした感性を取り戻すこと」が最優先のようです。


次に、
・やりたく無いことを断る、とか
・怒りを伝える、とか
取り戻した感情を大事にして表に出すことを課題としていき、

さらに
・生活に初めてを取り入れる、とか
・仮体験してみる、とか、
・違う分野、文化の人と話す、など
新しいものに触れる具体的レベルに移行していきます、


いつもながら、ものすごく練られた構成です。

嫌味なくサラリと読めるけど、ちゃんと入ってくる工夫がされている。
さすがですね。

ガネーシャの課題一覧

日の出を見る

好きな匂い、モノ、人、場所を見つける

やりたくない依頼を断る

自分の弱さや欠点を告白する

生活に初めてを取り入れる

自分の感情、感覚を丁寧に観察する

実物を見る

過去の出来事を伏線と捉え、希望を持ち続ける

興味を持ったことを一歩深める

インターネットを1日断つ

自然の中でゆっくり過ごす時間をもつ

虫の役割を知り大事にする

名作を鑑賞する

やりたくないことを全部書き出し、やりたいことに転換する

怒りの気持ちを伝える

苦手な人の信念を読み取る

自分と違う分野、文化の人と話す

仮体験する

欠点や負の感情を自分の一部だと思う

自分と同じ痛みを持つ人を助ける

誰かのありのままを愛する

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