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知識を操る超読書術

速読はウソ!読書で大事なのは読む前の準備と読むべき箇所の選別『知識を操る超読書術』

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「知識の最大化」が人生の目的だというDaiGo氏。
1日に20冊の本を読むというが速読をするわけではない。
そして大量のアウトプットを生み出している。

その秘訣は「読むべき本、読むべき場所を選ぶ」ことと「読む前の準備」にある。

・最初から最後まで読む必要はなく、あなたの必要な部分だけを拾えばいい。
・理解を深め記憶に残すため、その本を読む目的を明確にしておくことが大事。

小説とかなら全体をじっくり味わいたいけど、ビジネス書や実用書も同じ読み方をする必要はない。
参考になりました。

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要約

  • 読書にまつわる3つの誤解

①「速読」に囚われると内容が置き去りになる
最新の研究でも読むスピードと内容の理解度は、トレードオフの関係にあるとされている。テクニックとしての速読は「単なる飛ばし読み」で、読んだ気分になるだけ。

本を読むスピードを上げるため、DaiGo氏が推奨するのは「スキミング=拾い読み」で、読むに値する本なのかを判断し、読むべき箇所を絞ること。「選ぶ力」が身につけば大幅な時間短縮になるという。

読むべき本かどうかの判断のため、情報が詰まっている「本の表紙」や「目次」で概要をつかみ、どこか一つの章を拾い読みしてみる。それで「面白い、興味深い」と感じたら、あなたにフィットした本だといえる。

拾い読みの際には、文章構造を意識すると理解しやすい。
「しかし」や「つまり」といった表現の後に著者の伝えたいポイントが来ることが多い。それだけで言いたいことが理解できれば、具体例などは読み飛ばして構わない。

また、拾い読みをするためにも、その分野についてのある程度の知識は必要。全く知らないジャンルの本はスキミングすらできない。まずはその分野の土台となる教科書や入門書を読むところから入るべき。


②「多読」を目指すと目的を見失う
単にたくさん読めば知識がつくと考えるのは間違い。多読よりも「読む前の準備」が大切で、少ない情報からでも多くの知識を身につけることができる。

「この本から何を得たいのか」という目的を明確にすることと、「アウトプットを具体的に想定すること」が大切。


③「選書」にこだわると都合の良い本だけになる
「読むべき価値のある本」は、その時の状況によって変わってくる。今のあなたに役立つ知識があれば、あなたにとっては良い本。

読書量が増えるほど、すでに知っていることが増えるので、純粋にインプットとして価値のある本の比率は下がる。「ダメな本」からはツッコミどころを探して、アウトプットに繋げよう。

  • 読書の質を高める3つの準備

その本から何を得たいのかという「目的」を具体的にすることが何よりも大切。読書の準備に役立つ3つのスキルを紹介する。

①メンタルマップ
人生の目標やそのための行動を箇条書きにして視覚化したもの。

本を読む前にも
・なぜこの本を読もうと思ったのか?
・この本から何を得たいか?
・読んだあと、どういう状態になりたいと願っているのか?
をメモ書きすることを勧めている。
目的を明確にすることで関連する情報が重要だと感じ、興味・モチベーションを持ち続けることができる。

②キュリオシティ・ギャップ

「すでに知っている知識」と「本に書かれた知らない知識」の差を意識することで好奇心を刺激し、記憶に残りやすくする。

例えばノートの見開きの右ページに、すでに知っていることを箇条書きにして、左ページに新たに知ったことを書いていくなど。

好奇心を強めることで「記憶しやすい状態」を作ることができる。


③セルフテスト
読書力の現在位置を要るためのテスト。以下のポイントについて自問し、足りないと思う部分に対策をとろう。
・時間とモチベーション
 メンタルマップが有効

・集中力の維持
 メンタルマップ、タイマーによる時間制限

・読むスピード
 スピードにこだわる必要はない

・ボキャブラリー
 単語帳に書き出し「分からなかった悔しさ」を刻む

・重要な箇所の選択
 最初から最後まで読まなくてもいい

・新しい理論、細かい情報の把握
 自分が理解できるところとの共通点を見つける

・メインと枝葉の仕分け
 「しかし・つまり」に着目し、階層構造を理解する

・エビデンス価値の評価
 エビデンスのない実用書は読む必要がない

・該当分野の背景知識、経験
 入門書を読み背景知識をつけてから再読

  • 理解力と記憶力を高める5つの読み方

好奇心や想像力、質問力を駆使して自ら仕掛けていく姿勢が理解度を高める読み方となる。

①「予測」読み
本を読む前に、どんなことが書いてあるのかを予測する。
実際に読み進めたとき、予測との違いが大きいと意外性を感じ、記憶に残りやすくなる。また、予測することで、本への期待が明確になるので集中力を高めることにもなる。

②「視覚化」読み

本の内容を頭の中で想像し、映像的に膨らませる読み方。
ストーリーのない実用書やビジネス書でも、論理構造を意識し、マインドマップ的にイメージすることで、記憶に残り思い出しやすくなる。

③「つなげ」読み

読んでいる本を、すでに持っている知識や体験などと結びつけ理解を高める。
Text to Text(すでに読んだ本と結びつける)
Text to Self(自分の経験と結びつける)
Text to World(現実の出来事と結びつける)
といった手法で、経験や世界とつなげ、本を血肉にする。

④「要するに」読み

章ごとに「要するに〇〇ということが書いてる」とざっくり要約する。
要約を意識することで、重要な部分を見極め、読み込み過ぎを防ぐ。また内容に優先順位をつけることで、目的意識が高まり集中力が持続しやすくなる。とくに感情を絡めるとより深く心に残る。

⑤「しつもん」読み
著者にツッコミを入れながら対話をする。
・本のテーマは?
・同ジャンルの本との差異は?
・書き出しの工夫は?
・人に勧めるならどこを拾う?
・最も重要な一文は?
など、読書を始める前に問題を意識し、読みながら答えを探すことに意味がある。

  • 知識を操る3つのアウトプット

本から得た知識を、あなたや周囲の人のために役立て、良いと思った部分を実践し習慣化するためには、アウトプットが大切。効果的なアウトプットのための3つのスキルを紹介。

①テクニカルタームを使う
最初に「どういう意味だろう?」と感じるテクニカルタームを提示して興味を惹きつけてから、受け手に合わせてわかりやすく言い換える。

②説得にはSPICEを使う

・Simplify
 メッセージをできる限り単純にまとめる

・Perceived self-interest
 聞き手の利益にある言い方をする

・Incogruity
 意外性で注意を向けさせる

・Confidence
 自信満々に語る

・Empathy
 共感を入り口に説得する。

③思想書と科学書

説得の土台となる知識や考え方をインプットするための本の選び方は、思想書とか学書で異なる。

思想を深めるための読書であれば、古典を繰り返し読むのがいい、
科学的な知識を得るための読書であれば、最新版を追いかけた方がいい。

ちなみに DaiGo氏が推奨する「古典」は
・ビジネス戦略「孫子」
・リーダーシップ「君子論」
・経済学「国富論」
・自己啓発「人を動かす」
・心理学「ヒルガードの心理学」
・社会心理学「影響力の武器」
・行動経済学「世界は感情で動く」
・マネジメント「マネジメント」
・マーケティング「ザ・コピーライティング」
・交渉「世界最強の交渉術」
・顧客心理「シュガーマンのマーケティング30の法則」
・脳科学「脳を鍛えるなら運動しかない」
・バイアス「ファスト&スロー」

出版から20年経っても、店頭に並び半を重ねている本は、優れた古典だといえる。繰り返し読み込んでいこう。

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