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「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

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論文のメタ解析みたい。

文章術の本100冊を読み込んで「多くの本で共通していること」をピックアップ。「みんなが同じこと言うなら、まあ役に立つでしょう」というスタンスだ。

ビジネス書に書かれる成功法則なんかは、それぞれは「サンプル数N=1」の成功自慢みたいなのが多い。それでも同じ系統の本を複数読むと「同じような傾向」が浮かび上がってくることがある。

最後は「N=1」で一人きりの自分に落とし込むのだから、結局は感性的に「自分に合う合わない」で判断することになる。それでも、その前段階で「確率論として成功しやすい方向」を知ることには意味があるだろう。

文章術の話に戻ると
「最終的には自分が書きたいことを書きたいスタイルで書く」にしても、
その前段階で「見栄えの良い文章を書く最低限のノウハウは持っておこう」ということだ。

本書では全部で40のノウハウを取り上げている。このうち最初の「7つの基本ルール」が、多くの文章術の本で共通している「最低限のノウハウ」にあたる部分だ。

「基本」として叩き込んでおこう。
以下、要約として上位7つの基本ルールを紹介する。

それ以下にも役立つ内容が多いので、気になった方は本を手に取ってみてください。

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要約

  • 第1位 文章はシンプルに

最も多くの本で共通点していたのは「文を短くシンプルにすること」
3つのポイントで説明する。

①なくても意味が伝わる語は徹底的に削る
短くすることで文の構造が見やすくなり、リズムも良くなる。

②1文の長さは60文字以内が目安
どんなに長くても80文字に抑える。分けて分けて、単純にして、それを繋いでいけばいい。

③ワンセンテンス・ワンメッセージ
一つの文に複数のメッセージを詰め込まない。一つのメッセージに絞り込むことで明確に伝わる。

Bookletコメント
シンプルさが第一位に挙げられるのは納得。無駄を削って極力短くしよう。

  • 第2位 伝わる文章には「型」がある

「型」に当てはめて文章を書くことで、書くスピードが上がり、文章の流れが良くなる。
3つのポイントをあげて説明する。

①「結論が先、説明があと」が基本
最初に結論を持ってくることで、伝えたい情報が明確になる。最初だけ読めば概要が掴めるので、読み手の時間を取らない。

②PREP法
Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(もう一度結論)という型。説得力を高めたいときに使える。 

③論文は「序論→本論→結論」の三段型
論文の場合は「結論の正さ以上に、結論に行き着くまでの展開の正さ」が求められる。序論で問題を提起し、本論で問題を分析し、最後に結論を提示するのが正しい。

Bookletコメント
論理構造が整理されていない文章はわかりにくい。書き手側が伝えたいことを整理するためにも、論理構造を意識することは大切だ。

  • 第3位 文章も「見た目」が大事

文章術の中で「見た目」をあげる著者は多い。
見た目は伝わりやすさにダイレクトに関わってくる。メールやSNS、ブログなど、書いたものが直接読者に届くメディアでは、とくに重要。

①「余白」で読みやすい印象を与える
余白を十分に取ることで、読み手に負担をかけないやさしい文章になる。行間は0.5文字から1文字分あける。また空白行を意図的につくり詰め込まれた感が出ないようにする。

②ひらがなと漢字はバランス重視で

漢字が多めだと固い印象で内容が頭に入りにくいし、字面が黒く詰まった感じで見た目が悪い。漢字2〜3割、ひらがな7〜8割が目安。

③見た目を良くすると、文章のリズムも良くなる

見た目を整えると、音読したときに読みやすい文章になる。改行のタイミング、句読点の打ち方、ひらがなと漢字のバランスで読ませるスピードを調整する。

Bookletコメント
確かに文字の詰まったメールは読む気が失せる。相手がどんなデバイスで読むのかわからないから、改行などにも気を使うべきだ。

  • 第4位 章は必ず「推敲」する

書いたものを見直す「推敲」は絶対に必要だ。

推敲の効果は以下の4つ。
・誤字脱字をなくす
・余分な文字を削って読みやする
・情報の間違いを見つけたる
・よりわかりやすい表現に差し替える

①時間をおいて読み直す
書いた直後には客観的に読むことができない。最低でも1日、できれば1週間は寝かせてから読み直す。

②あえてプリントアウトして読み直す
パソコン画面より紙の方が全体を一望しやすい。書き手から読み手に意識が変わる効果もある。

③声に出して読み直す
音読も推敲に有効。読み飛ばすことができないから誤字脱字に気がつく。また句読点の位置や、言葉の重複など、リズムが悪い部分も見つけられる。

④他人に読んでもらう
自分ではどうしても客観的になりきれない。第三者は先入観を持たない分、気づけないミスを見つけてくれる。

Bookletコメント
個人的に「推敲」は苦手。「エイヤッ!」と思い切らないとメール送信もブログ公開もできない。書いた文を読み直すうちに恥ずかしくなり発信をためらってしまう。いやまあ、誤字脱字だらけの文を送る方が恥ずかしいのはわかってるんだけど。。

  • 第5位「わかりやすい言葉」を選ぶ

わかりやすい言葉、日常的に使われている言葉、耳慣れた言葉を使う。中学生くらいまでに習うレベルがターゲット。

①「難しい言葉」を「簡単な言葉」に置き換える

難し言葉を日常的に使う言葉に置き換える。類語辞典が役に立つ。

②専門用語を使うときは、解説を加える

自分が使っているからといって誰もが知っているとは限らない。専門用語はできるだけ使わないようにし、どうしても使うときは説明を加える。

③「簡単な言葉」を雑に扱わない

広く使われている「簡単な言葉」でも定義があいまいなものもあり、書き手の意図した通りに受け取ってもらえないことがある。きちんと定義して認識合わせをすることが必要。例えば「お金持ち」のイメージは幅広いが、「金融資産1億円以上」と定義するなど。

Bookletコメント
「わかりやすい文章」のためには、自分を客観視して相手の立場を想像することが必要なのだと思う。「自分の世界が当たり前」にならないように。

  • 第6位 比喩・たとえ話を積極的に使う

比喩を上手に使うと、
・長ったらしい説明を簡略し
・複雑な内容をわかりやすく伝え
・読み手がイメージしやすく
・強い印象を与える
ことができる。

①使いやすいのは「直喩」「隠喩」「擬人法」

直喩は「まるで太陽のように明るい女性」など「〇〇のように」とたとえる。隠喩は「彼女は私の太陽だ」と直接たとえる。擬人法は「ウマ娘」みたいなやつ。

②より強い印象を与えるには「隠喩」

隠喩は「AはBである」と断定する表現なので強い印象を与える。ただ違う意味で解釈される可能性もあるため、慎重に使う必要がある。

③知らないことを「知っていること」にたとえる

「読み手が知らないこと」を「読み手が知っていること」に結びつけ、読み手の理解を助ける。

Bookletコメント
「印象的な言葉を散りばめつつ伏線を回収せず、受けて側が独自解釈する余地を残す作品作り」といわれてもイメージしにくい。それを「エヴァっぽい」と一言で表現するとなんとなくわかる。
「知ってること」を足がかりに「知らないこと」を理解するのは早いし効果的だ。

  • 第7位 接続詞を「正しく」使う

接続詞を正しく使うと、文の関係がはっきりし文章が理解しやすくなる。一方で使いすぎると文章がもっさりしてしまう。

①接続詞は「使いすぎ」も「使わなすぎ」もダメ

接続詞を使うことで、論理展開を意識しやすく、論理が破綻しにくくなる。接続詞のあとの文を強調する効果もある。一方で、接続詞を多用すると、文章の勢いや流れをさえぎってしまう。なくても意味が変わらない場合は使わない方がいい。

②必ず入れたいのは「逆のこと」を書く場合

「逆接の接続詞」を省いてしまうと意味が通じなくなる。

Bookletコメント
論理構成がしっかりしていると、接続詞がなくてもわかりやすい。接続詞に頼らなくても理解できるキレイな文章を書きたい。

なお第8位以降は
・思いつきはメモ
・正確さが基本
・名文を繰り返し読む
・主語と述語はワンセット
・語彙力をつけるため辞書を使う
・句読点を適当に打たない
・段落はこまめに変える
・とにかくたくさん書く
・わかりにくいと思ったら修飾語を見直す
・「書き出し」にこだわる
・「読み手」を強く意識する
・「は」と「が」を使い分ける
・名文を書きうつす
など。

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