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1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法

起業はもはや「人生の一大事」じゃない。『1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法』

こちらで購入可能

何かを成すには「とにかく行動すること」

著者は1500件以上のマイクロビジネスを調査し、その成功法則を探る。

対象としたのは
・初期投資が100ドル〜1,000ドル
・年間収益5万ドル以上
・特別な技能や資格は必要ない
・自分一人もしくはごく少人数
のビジネスだ。

著者は、「今や企業にしがみつくことがリスク。小さなものが勝つ時代がやってきた!」のだという。

「一人で働きたい」「時間や場所に縛られずに働きたい」と思っている私のような人には、参考になる内容だ。


本書で紹介される事例から見えてくるのは、参入障壁が低くなっている分、とにかく動き始めて手数を増した人が勝つ、ということ。

「顧客に価値が提供できるか」、「マネタイズの方法は考えられているか」という最低限の部分を押さえ、あとは考え過ぎず、とにかく動く。

「動かなきゃ損」って感じでモチベーションを上げてくれる本でした。
少しだけ、昨日と違うことを始めてみよう。

要約


・マイクロビジネス成功の最重要ルール
①「自分の好きなこと」と「他人の興味」が重なるポイントを探す。
あなた自身が好きなこと、得意なことで起業するのがベスト。ただし、あなたの好きなことが何でも他人の興味を惹くわけではない。ビジネスにするには「他人が喜んでお金を払うほど強い興味を持つもの」でなければならない。

②スキルの転用
自分の持っているスキルを別の側面を生かす。または複数のスキルを組み合わせて特異性を出す。
例えば、教師は「教えるスキル」を持っているが、その根底には「異なる立場の利害調整」などのスキルも含まれている。また「そこそこの画力、そこそこのユーモア、そこそこのビジネス経験」を組み合わせて「圧倒的なビジネス漫画」を出版した人もいる。

・マイクロビジネスに必要な3つのもの
最低でも、
 ①あなたが売る「製品・サービス」
 ②代金を払ってくれる「顧客」
 ③「支払いを受ける手段」
の3つがないとビジネスは成り立たない。
逆に言えば、これだけあれば、ビジネスを始めることは可能だ。

・顧客が欲しいものを与えよう
顧客に与える価値とは「人を助けること」。
人は「お金・愛情・自由な時間など」を増やしたいと願い、「ストレス・不安・争いなど」を減らしたいと願っている。

自分が情熱を傾けるものであっても、相手が欲しいと思うものでなければ趣味の範囲に留めるべきだ。
また価格も提供する価値に応じて決めるべきで、「どれだけの工数がかかっているか」という提供者側の都合は顧客には関係ない。

与えたいと思うものではなく、人が欲しがるものを提供しよう。

・ノマドライフは可能
実際に遊牧民のような生活をしながら、数千万円単位のビジネスを回している人は存在する。
ただ、大切なのは「ノマドありき」ではなく「顧客への提供する価値ありき」だという点。

・顧客ニーズを掴むには
顧客の年齢や性別など人口統計的な切り口や経歴などに縛られず、あなたの顧客の指向を把握することが大切。
「顧客に直接聞く」のが効果的だが、顧客が直接言うのとは別のものを求めている場合もあるので、表面的な見方をしてはいけない。

・プランは行動しながら
計画に時間を使い過ぎるべきではない。
A4一枚のビジネスプランと、140文字のミッションで十分。

①A4一枚のビジネスプラン
 ・概要:何を誰に売る? 誰を助ける?
 ・お金:いくらで? どうやって回収?
 ・売り込み:顧客への告知法は?
 ・成功基準:顧客数? 純利益?
 ・懸念事項と解決策
 ・期日

②140字のミッション
「私たちは 〇〇を△△に提供する。それは△△が□□するのに役立ちます」

これだけで十分。

・効果的なオファー
オファーは顧客の直接的ベネフィットに結びつけよう。
反論を予測して対処しておくこと、今でなければいけない理由として期限をつけるのもいい。
シンプルな商品展開が理想だが、複数の価格帯を設けるのは有効。最初に購買するハードルは低くしつつ、コアユーザ向けには利益率の高い製品を提供し、利益を上げることができる。

・収入を増やすための微調整
軌道に乗ったあとの調整で、ビジネスを安定させ、収入を増やすことができる。

①アクセスを増やす
 広告宣伝と口コミの活用。

②コンバージョン率をあげる
 A/Bテスト(顧客群ごとに違う施策を取る)などで反応をみていく。

③平均単価を上げる
 値上げは意外と受け入れられる。
 既存顧客へのCROSS-SELL(ご一緒にポテトはいかがですか?)や、UP-SELL(Grandeへのサイズアップはいかがですか?)などで、顧客単価を上げることも考える。

・ビジネスの拡大
成長を追求するか、小さいままでいるか、どちらを選んでもいい。あなたが「どんな自由」を望むかにかかっている。

成長を目指す場合、自分自身で拡大させるのには限界がある。アウトソーシング、アフィリエイト、パートナーシップなどを活用することができる。

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