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パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法

パン屋ではおにぎりを売れ

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「考える」には突破力がある!

目的を持たずに考えているのは「悩んでる」だけで時間の無駄なのだそうです。。

まあ、たしかにその通りでしょうね。

・目的を決めて
・達成への仮説をたて
・課題を分解し
・スケジューリングし
・進捗管理する

というような「実行力」の部分の「思考」には
「強い目的を持って結論が出るまで考え切る」
ことが求められます。


一方で「アイデアを出す」段階の「思考」には
「非論理的な飛躍」が必要です。

その段階では「目的」は思考の飛躍を制限しちゃうかも。

むしろ「雑多な考えを捕まえ形にする力」が求められます。


「目的」をもった実行力を伴う思考も
「無目的」なダラダラ思考も
どちらも必要なのだと思いました。


本書では「考える技術」として
・考えを広げる方法6つ
・考えを深める方法6つ
を紹介している部分が特に面白かったので
そのポイントを中心に紹介していきます。

要約

1.「考える」とは

・「考える」=「広げる」+「深める」
「広げる」で可能性を考え「深める」で本質的価値を考える。

・「考える」と「思う」は別物

「考える」というのは目的のために意識的に思考すること。人は無意識に何かを「思う」ものだが、ゴールに向かった意識的なものでなければ「考えている」とはいえない。

・「論理的に考える」と「非論理的に考える」

「考える」ことは「論理的思考」だけではない。未来にベクトルを向けた「考える」では直感や思いなど非論理的な飛躍も重要。

2.考える技術

・ゴールを決める
考えるためには、まずゴール(目的)の設定が必要。
ゴールを作らず現状を思うのは「悩み」で具体的な対策に結びつかない。また手段を目的化しないよう、最終的なゴールを常に意識する必要がある。

・インプットして現状整理
ゴールが定まったら関連する情報を仕入れる。
人間の本音を考えながら情報を整理していく。(面倒が嫌い、面白いのが好き、みんなと一緒がいい、健康でいたい、など)
情報収集では完璧を目指さない。6割で見切り発車すべき。

・考えを広げる方法
まずは「考えを広げる」6つの方法を紹介。

①「かけあわせ法」
関係ないと思われる2つのものを掛け合わせる。
例えば「乳酸菌✖️ショコラ」や「寺院✖️お花✖️インスタ映え」など。

②「数珠つなぎ連想法」
イメージできるものをつなげていく。
例えば「さびれた商店街の活性化」で、商店街から「食べ歩き→弁当→中食→サブスク」などアイデアを広げていく。

③「ずらす法」
ターゲットや手段を「ずらす」して新しい価値を発見する。
例えば、作業着ブランドだったワークマンは「低価格で高機能」という自身の価値を発見し、アウトドア分野にターゲットをずらして大幅成長を果たした。

④「脱2択」
「AかBか」の2択から「AもBも」に切り替える。
例えば「ハンバーグvsエビフライ」の選択ではなく「ハンバーグ&エビフライ定食」にするなど。

⑤「まとめる法」
特に注目されていないものを「領域・法則」を絞ってまとめ魅力を示す方法。
例えば各地で見向きもされていなかったご当地マスコットを「ゆるキャラ」としてまとめ発信することでブームを起こした。

⑥「あったらいいな」
「こんな商品・サービスがあったらいいな」からスタートする。
言うなればドラえもんの秘密どうぐ。


・考えを深める方法
次に「考えを深める」6つの方法を紹介。

①「360度分解法」
角度を変えてみることで「強み」や「いいところ」を見つける。
あるいは「本当にそうなのか?」と疑ってみる。例えば「若者の〇〇離れ」というのも「別の角度から見たら違うのではないか」など。

②「ポジティブ価値化」
ネガティブなイメージをポジティブに転化する。
例えば「仕事が遅い→仕事が丁寧」など。

③「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」
「自分の関心」、「近しい人の関心」、「社会的関心」が重なる所を狙う。
例えば「自分の疲れ目が気になる、親の運転が心配、ブルーライトカットが話題になってる」など。

④「すごろく法」
マーケットインからの逆算思考。
目的達成までに必要なことを小課題に分解し、達成状況をすごろく的に表現する。

⑤「正体探し」
人の心の中にある「見えない心理」を見つけ出す。「比較」を用いることで「本質」が見えるようになる。
例えば「梨が好き」という漠然とした感覚も、いろいろな梨を意識して食べ比べることで「みずみずしいのが好き、甘いのが好き」など「好き」の解像度が上がる。
無意識の正体が分かれば取るべき行動が明確になる。

⑥「キャッチコピー法」
アイデアを魅力的な言葉に置き換えて伝える。
表現力を上げるためには「言葉貯金」をためることが有効。

3.考える習慣

・「思考ノート」
思考をノートに書き出すことで「俯瞰化・見える化・整理」できる。
自分の考えを「貯金」したり、複数人でのやりとりにも使える。

・オリジナル=マネ✖️マネ✖️マネ
マネを組み合わせるとオリジナルになる。誰かになりきって徹底的にマネしてみるのも良い。

・いい人のままでは思考は二流
疑いツッコむことが必要。「素直な良い人」は、こと考える場面では「何も考えない」と同義。

・「考える練習」
どんな場面でも「思考練習」をすることはできる。
例えばふと入ったレストランで改善ポイントを考えるなど。ポイントは「具体的な解答まで持っていく」こと。

また「考える」ためには、考える時間をスケジュールに入れておくこと、考えるのに適した場所をつくっておくことも有効。

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