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変な家

変な家

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間取り図が主役。

Youtubeで有名になった話の書籍化です。
いやー「不気味な話」ですね。

台所裏の不自然な隙間、窓のない子供部屋、無意味な二重ドア、仕切りのない更衣スペース。それぞれは小さな違和感だけど、それらが積み重なって醸し出す「意味のわからなさ」が気持ち悪い。

間取り図が密室トリックのヒントとして使われるのは一般的です。結果がわかっていて「それをどうやったか(ハウダニット)」を考えるのであれば、論理パズルとして冷静に楽しむことができるでしょう。

でも、結果が見えない、意味のわからない不自然さを並べられると、なぜか不気味に感じてしまう。人は「理由のわからないもの」を恐れるのでしょうか。

対象が「家」だというのもあるかもしれないですね。人を守り安心できる場所であるはずの「家」に、自分のあずかり知らない意図が隠されていることに感じる不安さ。


という感じで、第1章は「意味不明さ」が前面に出てきます。対して2章以降では「なぜそれが起こったか(ワイダニット)」に焦点が移ります。

理由自体は「おどろおどろしい」ものなのですが、それでも不気味な怖さは薄れていきました。なんにせよ「理由」がつくことで安心するという面があるのでしょうね。

自分が何を「怖い」と感じるのかが可視化されるような展開でした。

あらすじ

オカルトライターが知人から「引っ越そうと思っている家の間取りに不自然なところがあるがどう思うか」と相談を受けた。

必要ないはずの空間があったり、窓のない部屋があったり、なんとなく不自然で気味が悪い。一つ一つには僅かな違和感を感じるだけだが、全てを合わせて考えるとその家の「目的」が見えてくる。

第2章は「変な家」の住人が以前住んでいたもう一つの家の謎、第3章では関係者がかつて住んでいた古民家に仕組まれた謎と、過去に遡り因襲を紐解いていく。

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