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GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

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「幸いなことに世の中の大半はゼロサムではないのです」


世の中には
・GIVER(与える人)
・TAKER(奪う人)
・MATCHER(バランスをとる人)
の3種類の人がいます。

調査によると、もっとも成功から遠い層にいるのはGIVERでした。でも同時に、最大の成功をおさめた層にいるのもGIVERだったのです。

ざっくり言うと、
大成功する人;上手なGIVER
そこそこ成功する人:MATCHER
まあまあ成功する人:TAKER
損する人:下手なGIVER
という構成になります。

最上位がGIVERなのはなぜか?
最上位と最下位にいるGIVERは何が違うのか?
を具体的に解き明かしていくのが本書の主題です。


最高の成功者が『GIVER」である理由
GIVERが大きな成功を掴むことができる理由をいくつか挙げています。

① 世の中の大多数のMATCHERはGIVERを応援する
世の中の大多数は「MATCHER」です。

MATCHERにとってバランスが正義なので、たとえ自身にとっては損でも「一方的に利益を奪うTAKER」には反発し「私心なく人に与えるGIVER」を助けようとします。

②SNSが評判のフィードバックを高速化した
以前は GIVER、TAKERとしての評判が広まるのには時間がかかっていました。

でもネットやSNSが発達した昨今ではかつてない速さでフィードバックが伝わり広がっています。GIVERであることの評判は指数関数的に広がり影響力を増していくのです。

③緩いネットワークの力を利用する
TAKERは直接的なメリットのために有用な人脈に狙いを定めます。一方でGIVERは広く緩い人脈への貢献を通じ、それ自体が価値を生み出すようなネットワークを作ります。

新しい可能性をもたらすのは緊密な関係よりも緩いつながりなのです。

④新たな才能を伸ばす
またGIVERは自分に固執しない分、他者の才能を見つけ伸ばすことも上手く、より多くの価値を生み出す世界を作っていると言えます。

⑤リーダーシップではなく影響力を行使する
そしてGIVERはリーダーシップを発揮するのではなく、ネットワークに影響力を与えることで方向性を作っていきます。
インターネットは集権的な組織から分散的で自律的な生態系への移行を促しました。現代では相互に影響を与えるやり方が適しています。

パイの大部分を独占するのではなく、パイを大きくすることを目指すのがGIVERです。

「幸いなことに世の中の大半はゼロサムではない」のです。



最上位にいるGIVERと、最下位にいるGIVERは何が違うのか
最大の成功をおさめるのもGIVERですが、TAKERに利用され損するばかりのGIVERもいます。

その違いはどこにあり、どうすれば最下位から抜け出すことができるのでしょうか?

① 貢献を見える化
1つ目は「GIVERの貢献は結果が見えにくい」ことにあります。成果が直接的なTAKERと比べ、他人への貢献は結果が見えにくくモチベーションの維持が難しい傾向があります。

意識して「自分の行動が誰にどのように役立っているのかを知る」ことが大切なのです。

② TAKERにはMATCHERで
2つ目のポイントは誰に対しても常に「与える」態度でいるとTAKERに利用されるだけになってしまう、という点です。

ゲーム理論で最強とされる「しっぺ返し戦略」に倣うべきなのでしょう。

・初手は「協調」
・相手が「協調」であれば「協調」
・相手が「裏切り」なら「裏切り」返す
・相手が「協調」に変えたら「協調」し返す
のように、TAKERに対してはMATCHERとして振る舞うのが有効な戦略となります、

③「自己犠牲」から「他者志向」へ
3つ目は「自分を犠牲にして相手を喜ばせよう」ではいつか疲弊してしまう、という点です。

自己犠牲ではなく「他者のために頑張ろう」であるべきです。

具体的な例でいうと「交渉相手を嫌な気分にさせないため不利な条件を受け入れる」のは自己犠牲で「家族を守るため、家賃交渉を頑張る」のは他者志向です。

自分のマイナス分を相手に与えるのではなく、他者のためにプラスの価値を生み出すことを考えることができれば、GIVERは最強なのです。

ここでも「世界はゼロサムではない」ことがポイントです。

④ ネットワークの力を使う
最後はネットワークの力です。

「相互に与え合うネットワーク」の中ではTAKERもGIVER的な振る舞いをするものです。

一対一の関係ではなく、ネットワークの力を利用して関係を作ることも有益です。



感想
「自分のため」よりも「大切な誰かのため」の方が強いのかもしれません。
でも、自分の評価を他者に委ねてしまうことは、リスキーな感じもします。

他者志向はいい、でも自分の評価は自分で決めたい。

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