掟上今日子の挑戦状
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本を読んで、教訓を得ようとか、学ぼうとか、この先に生かそうとか、そんな風に構えることはないんですよ。
面白いことを考える人がいるなーって、ただそう思って本を閉じればいいんですよ。
あらすじ・概要
翌日になると全てを忘れる忘却探偵 掟上今日子 が事件の謎を解く、3つの短編集。
掟上今日子のアリバイ証言
アリバイ工作のために話しかけた相手が翌日にはすべて忘れてしまう忘却探偵だった。
とある水泳選手が自宅の浴槽にドライヤーを浸けたことで感電死していた。事故死とするには不自然な状況で第一発見者である知人が容疑者となっていた。彼は死亡推定時刻には、カフェにいた女性と話していたと証言したが、その相手は、忘却探偵の 掟上今日子 だった。
掟上今日子の密室講義
名探偵に憧れて刑事になった男に掟上今日子が「密室」の講義をする。
アパレルショップの試着室で女性が殺された。担当警部のアシストを依頼されて掟上今日子はカーテンで閉じられただけの試着室だが監視カメラと目撃者により「密室」となっていて犯人がどのように抜け出したのかが分からない。
掟上今日子は警部にヒントを出す。
掟上今日子の暗号表
「丸いと四角いが仲違い。逆三角形では慣れ慣れしい。直線ならば懐っこい」残されたダイイングメッセージの謎を解く。
繋がりあっせん会社の社長は副社長が違法に集めた名簿を使っていることを知り会社の信用を守るため副社長を殺害した。副社長は絶命する前に血でメッセージを残す。
ダイイングメッセージが金庫の番号であるかもしれないと考えた社長は、それが自分が犯人だと示すリスクも知りながら、探偵の掟上今日子に解読を依頼する。
感想・考察
忘却探偵シリーズ3作目で 掟上今日子のキャラがだいぶ固まってきた。
お金にシビアで、割と男好きで、大胆な行動力を持っている。そして、翌日にはすべて忘れてしまうという過酷な状況を受け入れている。
掟上今日子の内面心理描写が全く、それがミステリアスで面白いのだが、忘却探偵がどういう行動原理を持っているのかのぞき見してみたい気もする。