サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

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悔い改めて、遊んで生きる。
人生なんて、死ぬまで生きればいいだけだ!
要約
作者の大槻ケンヂ氏自身の歴史を顧みながら、サブカルで食べていくということを語る。
・「アングラ」になりたい君へ
「アングラ」はモテない。お金も大して稼げない。それでもなりたいなら必要なのは「才能+運+継続」
・アングラ+笑い=サブカル
70年代の雑誌「ガロ」が持っていた怪しい「アンダーグラウンド」の雰囲気を、80年代後半の「パンチ」などがポップな方向に変え、誰かが「アングラ」を「サブカル」と言い換え、敷居を下げた。
・自分学校で自習
「スクールカースト」から外れたサブカル予備軍は、学校の外に自分の学校を作る。大槻ケンヂ氏の場合は、質より量で映画を見たり、敢えて外して少女漫画を読んでみたり、小説も乱読した。
・バカになれ
好きなものに触れて吸収するのはいいが「プロのお客さん」になってはいけない。完成度の高いものをみるほど自分のレベルの低さに気づいてしまうが、とりあえずバカになって恥をかくことをものともせずに発表しなければ始まらない。
・人間は根本的に悪だと思うばラク
人気が出た後、大槻ケンヂ氏は多くの好意を受けるようになったが、同時に怒りや憎しみといった負のパワーも受けるようになる。
「人間は根本的には悪である。けれども善であろうと努める生きものでもあるのだ」と考えるようにしているという。
・小説の書き方
映画を見て型を学ぶ。
ラブコメの例でいうと;
起 ちょっと変わった形での出会い
承 どうも好きになったらしい
転 でもケンカで別れちゃう
結 やっぱり復縁、めでたしめでたし
という定型フォーマットがある。
最初は書ける部分を散文的に書き始め、つじつまは最後に合わせる。
・サブカル経済事情
芸能事務所は良くつぶれる。
権利関係の契約には気を使うべき。契約は月給+歩合が理想的。
・自由であることの不自由さ
時間の使い方をある程度決めてもらった方が楽。24時間を上手く使うためには、「自分学校」で身に付けた、自分なりの「教養」が役に立つ。
感想・考察
「好きなことをして生きていく」のが、それほど気楽なことではないと分かるし、「才能+運」がないと、大金を稼ぐのは難しい。
とはいえ、やはり「サブカル」な人たちの「肩の力が抜けた生き方」が格好いい。人としての軸があって、軸がブレることも受け入れて、それが余裕を生む感じ。余裕が創造性を生むのだろう。
大槻ケンヂさんという人に大変興味が出てきた。
ちなみに、巻末の「注釈」がサブカル辞典っぽくて面白い。