今夜、きみの声が聴こえる
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誰もが誰かの特別な存在。
泣かされる話でした。。
あらすじ・概要
身長も成績もなんでも平均の「まんなかまなか」、高校二年生高橋茉菜果は、自分に自信が持てずにいた。茉菜果は幼馴染の鬼塚公志に片思いをしていたが、心地よい友達関係を壊すのが怖くて想いを閉じ込めていた。
ある日、寡黙で真面目なクラスメートの武田優子に、公志への好意を確認されるが、茉菜果は否定するが、公志から優子と付き合い始めたと聞きショックを受ける。
失恋に落ち込む茉菜果は久しぶりに祖母の千恵ちゃんの家に行き「公志に恋人ができても茉菜果の気持ちが変わらないならそれでいい」と慰められる。そして千恵ちゃんの家にあった古い大きなラジオをもらって帰った。
家に帰った茉菜果は優子からの電話で公志が事故死したことを知る。
公志の死を受け止められない茉菜果は千恵ちゃんにもらったラジオから公志の声を聞いた。茉菜果は「公志が無くしたもの」を探しにいく。
感想・考察
切ない話だ。
いぬじゅんさんの作品には「伝えたいことを伝えきれなかったことを悔やむ」主人公が成長していく話が多い。本作では自分に自信が持てなかった「まんなかまなか」人とのつがなりの中で自分を確立していく。助けてくれる人が周りにいることが、大切な人を失う辛さを乗り越える強さに繋がっていく。
強く生きていこうと勇気付けられる話だった。