掟上今日子の遺言書
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一日しか記憶がもたない忘却探偵。
4作目にして変態っぷりに磨きがかかる!
あらすじ
隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、道を歩いていて飛び降りた中学生少女に激突してしまう。厄介自身も大けがを負い、少女は意識不明の重体となった。
完全な被害者であるはずの厄介だが、冤罪体質が災いしてなぜか加害者扱いされてしまうが、少女は遺書を用意しており、明らかに自殺を図ったものと思われた。
遺書の内容は「少女は自殺を礼賛する漫画の影響を受けた」と思われるもので、その漫画の作者 阜本は筆を折る決意をしてしまう。
阜本を推していた、厄介の元上司である出版社の紺藤は、この事件に違和感を感じ、厄介を通して、一日しか記憶がもたない「忘却探偵」掟上今日子(おきてがみきょうこ)に調査を依頼した。
阜本の作品を読んで予習した今日子は、紺藤の違和感の理由をすぐに感じ取り、阜本や少女の周辺に聞き込みを開始する。
タイムリミットのなか「忘却探偵」は真相に辿り着くことができるのか。
感想
「一日しか記憶がもたない探偵」って、無理のある設定だなと思っていたが、これでシリーズ4作目、ちゃんと成立させているのがすごい。
個人的には「遺言少女」の気持ちがよく分かる。
自分の好きな本を知られたくないから、本を借りるときには「ライトノベルと純文学」「SFとビジネス書」など、対照的な分野の本でバランスを取っていた、という行動に親近感を覚えてしまう。
実際には「誰もお前の読書傾向何て興味ないよ!」ということで、自意識過剰が過ぎるのかもしれない。ただ自分の本当に好きなモノ、本当に大切にしていることに踏み込まれるのは何よりも怖い。
中学生少女ならともかく、いい歳して「自分軸が定まってない」のは格好いいものではないですね。。