U理論[エッセンシャル版]― 人と組織のあり方を根本から問い直し、新たな未来を創造する
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要約
U理論とは「環境・社会・精神の断絶による諸問題を解決するため、様々なレベルでイノベーションを起こすための原理と実践手法の理論」
目に見える外面的な変化よりも、「変化をもたらす内面の変容」を重視し、それを促す土壌づくりを実践する。
システム変革の各段階で、U字の左側を下るように外界との関わり方を深めていき、U字の右側を上るように外界への発現させていく。
1.盲目的段階
習慣化した過去のパターンを踏襲する。人の話を聞くのではなく、自分の中にあるものを確認しているだけ。
2.エゴシステムの段階
盲目的判断を一旦保留し、外部に視点を移して事実に目を向ける段階。
3.共感的段階
視座を転換し、相手の視点で見る。
4.生成的段階
「個」の視点、「現在」の視点を手放し「未来の全体性」に移行し、最高の未来の可能性を見つける。
5.結晶化段階
「新しいもの」を闕所化し、プロトタイプにつなげる。
6.プロトタイプ段階
プロトタイプを作りながら検証し、イノベーションの生態系を育て進化させる。
概要図
また、イノベーションを持続的に発展させるためには、社会をオペレーションシステムのレベルでアップグレードしなければならないとし、経済や民主主義、教育などの現状と今後の方向性について提言している。
感想・考察
ビジネス上の組織論だと思って読んだが、精神論的傾向が強い。
おおよそ分かりやすく、実践的な解説になっているのだが、一番肝心なU字の底の部分「プレゼンシング」というのが、うまく理解できなかった。「宇宙の意志と繋がる」とか言われるとちょっと怯む。
ただ内容には興味があるのでもっと深く知りたい。
また「社会のOSアップグレード」の部分はサラッと書かれていたが、経済や教育など非常に濃い提言で、それぞれ1冊の本にできるくらいの内容が詰まっていた。
「エッセンシャル版」じゃない完全版を読むか、原書に当たった方が分かりやすいか。もう少し学んでみたいと思える内容だった。