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世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業

世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業

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概要

成功者であっても最後にぶつかるのは自分の心の壁だという。インドで行われている「美しい心」を取り戻すためのセミナー内容を紹介。

1.「苦悩の心」を「美しい心」に変える
理想的なのは「美しい心」の状態。「今」に集中することで感受性豊かに、嗜好がクリアになり、心の底から幸福感や満足感が湧き上がってくる。

一方「苦悩の心」の状態では自分中心の意識になり、追いつめられるような感覚で幸せを感じることができない。

私たちが苦悩から抜け出せないのは、無意識のうちに抱いている「自分はこうあるべきだ」という理想像が原因だとしている。

2.「美しい心」を作る4つのステップ
「美しい心」を作るための4つのステップを紹介。

①気づく:苦悩の状態であることに気づく
イライラしたり、不安に思ったりネガティブな感情が起きているとき「自分の心は苦悩の状態にある」ことを意識する。
ネガティブな感情が自分の本質ではなく反応なので、客観的に捉える。

②観察する:心の声を聞く
イヤな気分になったとき、そのとき頭に駆け巡る思いを15個以上挙げる。
頭の中に浮かぶままのセリフ調でいい。
すらすらと出てこなくなってから絞り出したものが重要。

③苦悩の正体を知る:しがみついている理想像を特定する
心の声の中で自分中心の意識から馬rたものがどれくらいの割合か確認する。
そこから「苦悩の正体=自分が無意識に持っている理想像とのギャップ」を見つける。

④正しい行動を考える:自分や相手にとってふさわしい行動を取る
苦悩の正体である「理想像」に気づくだけで苦悩は消えていく。
理想像に合わせた「○○すべき」から離れて行動を選択する。

3.実践のポイント
本書ではいくつかの実例を紹介している。
「すべての依頼に応え、社員からも慕われる完璧でありたい」という経営者、
「完璧な妻でありたい」と考えながら夫の仕事を助ける女性など。

理想像には傾向があり、「成功者になりたい」「価値のある人になりたい」「異人になりたい」「完璧な夫・妻になりたい」など。
理想像は一つとは限らない。また表現の仕方も大事。
しっくりくるものが見つかれば、それだけで苦悩から解放される。

気付きをえるために2つのメディテーションも紹介。
①マルヒア・メディテーション(所要時間10分)
・目を閉じて10回深呼吸。
・体を前後に軽く揺らしながら10回深呼吸。
・「あ・え・い・お・う」と発声しながら呼吸。2セット。
・目を閉じたまま空間を見つめる。約1分。
・心の状態を確認する。

②1分間メディテーション
・一人になり目を閉じる。
・3回ゆっくりと呼吸する。
・「相手と心でつながっている自分」をイメージし、目を開ける。

感想・考察

「悩みの原因は外部ではなく自分の心にある」のは、おそらくその通りなのだと思う。恵まれた環境にあっても「なんとなく追いつめられるような不安感」から逃げられないことも多い。
だから、心の奥底に潜り込んで「苦悩を生んでいる理想像」を特定するべきだ、という理屈も良く理解できる。

ただ、人の心は「良い状態」と「悪い状態」の二つにキレイに区別できるわけではない。生物としての本能、健康状態、深い意識、表層的な意識、周囲の環境などが相互に影響し、常に動的に変化している。
本書では「深い意識」の部分にフォーカスしていて、それはそれで意味のあることだとは思うが、「それだけで全てが自動的にうまくいく」というのは簡単すぎると感じる。

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