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人の心を一瞬でつかむ方法―――人を惹きつけて離さない「強さ」と「温かさ」の心理学

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要約

人は「強さ」と「温かさ」で評価される
人が人を品定めするとき「強さ」と「温かさ」の2つの観点から見ている。

「強さ」は能力の高さや意志の固さを指す。強さを感じる人は尊敬を集めるが、それだけでは優しさや配慮に欠け人が集まらず、それなりの成果しか上げられない。

一方で「温かさ」はこの人に近づきたいと思わせる優しさや親近感を指す。相手の立場に立ち親身になって考える「共感」、馴染むことで感じる「親しみ」、相手に対する暖かい感情である「愛」の3つから構成されている。
だが「強さ」を伴わない「温かさ」は、単なる弱々しさと受け取られ、軽く扱われてしまう。

「強さ」と「温かさ」は補完的な関係にあり相互作用が働いている。「強さ」を強調する行為は「温かさ」にとってマイナスになり、「温かさ」を演出する行為は「強さ」にとってマイナスになるトレードオフの関係となることもある。
だが究極的には、強さと暖かさを切り離さず、互いに内包しあうことが望ましい。

「見た目」と「固定観念」に縛られる
誰かと出会ったとき、性別、体形、ルックス、年齢といった特徴から「強い人」「温かい人」のアウトラインが作られる。

「強さ」と「温かさ」をアピールする方法
年齢や性別など容姿は固定的だが、行動は変えることができる。
・ジェスチャーなど非言語コミュニケーションの活用
・背筋を伸ばすだけでイメージアップ
・胸を張り歩くと積極性を示せる
・手足を身体から離して大きく動かすとゆとりを感じさせる
・笑顔にはパワーがある
・アイコンタクトがないと自信がないように映る
・声のピッチ、大きさ、ペース、トーンで印象が変わる
・フォーマルなファッションは強く、カジュアルは温かい

「一緒にいたい」と思わせる話し方、聞き方
まずは相手の「輪」の内側に入ることが大切。相手と同じ目線にたた人間であることを示すため、冒頭で「温かさ」をアピールする。
バックグラウンドを共有していることを示し、ユーモアのあるストーリーテラーになるのが有効。

感想・考察

「愛を伴わない権力は無謀で濫用されやすく、権力を伴わない愛は感傷的で非力である」というキング牧師の言葉が、本書の趣旨を端的に示している。

強くなければ人を動かすことはできないし、温かさがなければ人はついてこない。強さと温かさは相反するものかもしれないが、究極的には両立するのだろう。温かさを追求するならば、その実現のためには強さが不可欠だし、強いから周囲に配慮する余裕が持てるのだともいえる。

「温かさ」と「強さ」のバランスを取るテクニックではなく、両方を深く追求することが重要なのかもしれない。

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