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実践版GRIT やり抜く力を手に入れる

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要約

なぜ今、「やり抜く力=グリット」が必要なのか、どうすればみつけることができるのかを説く本。

「グリット」とは何か?
試練を乗り越えて頑張り続けられる人に共通する特徴として「情熱」「粘り強さ」「長期的な目標」がある。
著者はグリットを「高い目標を情熱をもって追求する姿勢であり、周囲の人の畏敬の念を引き起こし、他者の中から、より良い人間へと成長し、精神的な持続的幸福を獲得し、有益なリスクを冒し、最高の人生を作りたいという意欲を引き起こすもの」と定義している。

グリットの低い世界
保護者からの批判を怖れ競争を廃したことから、若者は負けることを経験せず目標に向かって努力する力を失ってしまった。「傷つきやすい自尊心」が蔓延している。

良いグリットと悪いグリット
「良いグリット」は、成功して多くの人を活気づける力を持つ。
公平さや正義感、愛情など普遍的な価値観などを持ち、卓越した成果を上げる。著名人だけではなく日常生活の中で誰もがグリットを示すことができる。

一方、粘り強さや勇敢さといった素養を持っていても、誠実さや謙虚さが欠けていると「悪いグリット」となる。
周囲に偽りの成果を誇示する「虚栄グリット」や、状況に対応できず硬直してしまう「強情グリット」などがあげられる。
どのような成果も、一人で作り上げることができないことを認識する必要がある。

グリットの育て方
「本物のグリット」を育てるためのポイントを解説。

・情熱
銃熱は人生の目的を生み出す原動力。興味の対象を絞り込み「ときめき」を感じるものを選んでいく。
「あなたは何に幸せを感じるのか」「余暇に何をするのを好むのか」から、あなたの情熱の対象を見つけよう。

・幸福感
「人は成功して幸せになるのではなく、幸せだからこそ成功する」
幸福感を高める方法として
「強みを生かす」「感謝する」「日記を書く」「精神性を高める」「コーチングを受ける」「希望を持つ」「運動をする」「利他的な行動をとる」「瞑想する」などを上げる。

・目標設定
本物のグリットを持つ人は、ときには非現実なまでの高い目標を設定するという特徴がある。高い目標は目標が注意力を喚起し、行動のエネルギー源となる。
目標は内発的である必要があり、具体的で測定可能、行動思考で現実的、かつ期限があることが良い目標となる。
周囲に明言するアカウンタビリティも、目標に継続的に取り組んでいくための重要な要素。

・自制心
長期的な目標達成のためには目先の誘惑を絶たなければならないが、意思決定は精神エネルギーを消耗する。
多くのことを自動化したりして消耗を避けることが大事。またとくにアルコールの悪影響は大きい。

・リスク-テイキング
本物のグリットを持つ人は失敗に対する恐れがない。
人には損失回避の傾向がありリスクを避けるが、成果を出すためにはリスクを完全に避けることはできない。
リスクが行動を制限するときは「なぜやるのか」ではなく「なぜやらないのか」を考えていく。また結果をコントロールできる範囲内の小さなリスクから試していってみるといったステップが有効。

・謙虚さ
謙虚さは社会的側面からみると「素直さ」「思慮深さ」であり、内面から見ると「好奇心」「他者から学ぶ意欲」「新しい考えを受け入れる柔軟さ」である。
謙虚さは、自分の改善に積極的で、成長のためのフィードバックを前向きに受け入れる能力だ。
「自分の限界を認められるからこそ、助けを必要としている人に共感することができ、利他的な行動を促進する」といえる。

・粘り強さ
困難に直面してもあきらめないことが重要。
グリットの高い人、同じ目標を持つ人と同じ環境に身を置き、グリットが高い人になり切って行動をしてみる。

・忍耐
色々なことが簡単にできるようになり我慢を忘れる人も多いが、大きな成果のためには時に耐えることも必要。
チェスなど集中力を長時間持続する必要のあるゲームや、成果がすぐに出ないガーデニングなどが忍耐力を高める。

感想・考察

まとめてしまうとポイントはシンプルだ。
・最近の世代には「やり抜く力=グリット」が欠けている。
・グリットは人に貢献するような正しい使い方をしなければならない。
・グリットは育てることができる。
 必要なのは、情熱、目標、リスクをとる勇気、謙虚さ、自制心など。

「最近の若い者はなっとらん」的な嘆きも見えるが、情熱の盛り上げ方や自制心の消耗を防ぐ方法など、具体的に役立ちそうなエクササイズもあった。

アンジェラ・ダックワースの「やり抜く力」と重なる部分が多いが、その実践に重きを置いた内容だった。

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