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死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

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要約

「過労で死ぬくらいなら会社を辞めればいい」冷静な状態であればそう考えるだろう。でも追い込まれていくと、真面目な人ほど他の選択肢を塗りつぶしてしまい、一本道しか見えなくなってしまう。そんな時はちょっとした衝動で誤った判断をする可能性がある。
汐街コナさんのマンガを中心に、ゆうきゆうさんが解説加える。仕事に追われる人へのメッセージ。

なんで死ぬまでがんばりすぎちゃうの?

「他のみんなもがんばっているから」と自分もがんばってしまう人がいる。だが体力には個人差があり、月200時間残業しても大丈夫な人もいれば、数十時間の残業で疲れてしまう人もいる。

「できないのは努力が足りない」と考えて、根性で乗り切ろうという人もいる。追いつめられるほどむやみに一本道でがんばろうとしてしまうが、一歩立ち止まって冷静に考えたり、人に相談したりすることが大切。

「夢だったから、好きだから」がんばる人がいる。
「好きなことだからがんばる」のは当たり前かもしれないけれど、「どんなに辛くても努力し続けるべき」ではない。がんばる道は一つじゃない。自分にあった頑張り方をみつけるのは、逃げることじゃない。

「過労は見えない刃物」だ。
目に見える凶器があれば人は逃げ出すが、過労は見えない凶器として緩やかに心身を壊していく。

心のSOSに気がついて

突然涙が出てきてとまらない。
起きられない。動けない。
苦手な人といるとジンマシンがでる。
これらは心からのSOSだ。
体が丈夫な人は無理をしがちだが、こういう症状があれば休むべき。
心療内科やメンタルクリニックにも行ってみるべきだ。敷居は高くない。

がんばらない勇気

「他人ががんばっているから自分もがんばる」という配慮は大切かもしれないが、自分を犠牲にしないことが最優先。

自分とは違う考え方を持つ人とすり合わせながら生きるのが社会だが、すり合わせようがない「宇宙人」がいたら「逃げるが勝ち」。

人の不幸自慢に付き合う必要もない。心の中で「カンケーねー」と思って無視しておく。

先のことを考えるのは大切だけれど、考えても解決しないことは考えなくてもいい。

自分の人生を生きるために

他人はいろいろなことを言ってくるが、車のハンドルを握っているのは自分。何か問題があったら責任を持つのは自分だけ。だからこそ、自分のゆく道は自分で選ぶことができる。

前向きがんばるのは良いこと。
だけれどその「前」が本当に自分の幸せなのか、立ち止まって考える必要がある。

「俺がやらねば、誰かがやる」少なくとも会社の仕事は一人が欠けても回る。
一方で親や子供、友人や恋人などの関係は変わりがきかない。犠牲にしてはならないもののことを忘れない。

世界は本当に広いんです

会社を辞めることに不安を感じるのは当然。上手くいくかは分からないが、過労状態の職場から逃げ出して前より悪くなることはまれ。
辞めたら辞めたで何とかなる。心身を壊す前に今の状況から離れることを考えるべき。

自分を犠牲にしてがんばりすぎちゃう人へ

「大人の言うこと聞かなくちゃ、でないと叱られる」「自分で決めたらだめだ、大人の言う通りしなきゃ」そういう教育を受けて育った人も多い。
でも、今は自分ががその「大人」だ。
親も上司も世間も、君の人生に責任を持ってくれるわけじゃない。

感想・考察

冷静な判断力を持っているときであれば、「仕事がきつい、会社の人間関係が辛いなら逃げてしまえばいい」と思えるが、追いつめられると逃げることを考えられなくなることもあるのだろう。

ずっとその仕事をしてきた人であれば「辞めた後の不安が大きくて動けない」ということもあるのだろう。

仕事に責任を持つのは大事だ。がんばって自分を向上させていくことも必要だろう。
だけれども「自分を守ること」が最優先だ。
自分の人生を責任持って生きるためには、自分の心身に対しても責任を持たなければならない。

長いこと会社員として働いていると会社側の立場でモノを見るようになるが、やっぱり大事なのは人だし、その中でも自分が一番大事だ。

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